コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(パナソニックセールスベトナム 高橋俊介さん)前篇

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パナソニック全体としてマーケティングを変えていこうという機運がある

—ベトナムでの仕事内容を教えてもらえますか?

高橋:現在はパナソニックのベトナム販社で、生活家電のセールス、マーケティング、マーケティングコミュニケーションの3つを統括しています。

現在、取り組んでいることをお伝えする前に、パナソニックの海外マーケティングの役割について紹介します。これまではマーケティングと言いながらも営業含めあらゆる要素の面倒を見る部隊でした。

例えば、事業部が企画開発して仕上がってきた商品をどのようにベトナムやインドネシアなどの各国にフィットさせていくか。市場導入の戦略立案に始まり、販売目標に仕入計画、PLやBSを含めたビジネスコントロール、人事、組織設計、物流戦略、ディーラーマネジメントなど全てを担当します。マーケティング専任というよりも、海外販社のビジネスを一通り回せるジェネラリストのような存在でした。

ただ、こうした従来のジェネラリスト型の“なんでもできるマーケター”は近年、通用しなくなってきていると感じています。PLをコントロールしながら、KPIを大きな目で俯瞰して管理する能力が求められていたわけですが、こうしたことは内部の話であり、競争力を生んでいないと考えるからです。

私たちは顧客価値創造にもっとパワーを割かなければいけない。顧客インサイトを深堀りして、新しい価値、サービス、体験を提供できないと他社との差別化が難しくなってきています。中国勢を筆頭に他国から競合が参入してきていますし、ヒットした商品はすぐに真似されてしまいます。しかも、そうした企業の商品の品質は年々向上している状況です。

こうした環境で戦っていくためには、顧客インサイトに切り込んでマーケティング戦略を立て、そこに合致した商品・サービスをつくっていくというマーケティングに変革しないといけない。そんな危機感はパナソニック全体に広がっていると思います。

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