コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

何もしないで終わってしまった日々も肯定したい。 コロナ禍で生まれた新曲『ミラノサンドA』(ゲスト:xiangyu)【後編】

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Google Earthで全国のドトールをまわったミュージックビデオが話題に

中村:酒もありますが、ドトールですよ。

権八:出た。

中村:最近、ドトール公式BGMになったという。

xiangyu:そうなんです。

中村:ドトールへの愛を歌った曲、『ミラノサンドA』(2021年)。

権八:名曲がまた生まれてしまいましたね。

中村:これはどうやってできたんですか?

xiangyu:これは2021年の5月にリリースした曲なんですけど、コロナで1年半くらい本当にどこにも行けずに「何にもしないで今日終わったな」って思う日が多くて。だけど「何もしなかった毎日」も肯定したい、そういう日々を送っちゃった自分のことを抱きしめてあげようって、自分の特別でも何でもない普通の毎日を切り取った曲をつくりたくて。特に何もない毎日だけど、近所にあるドトールに行ってコーヒー飲むのが自分の日常生活の一部だったんですよね。顔洗ったり服着替えたりするのと一緒で、自分の生活の一部だったから、自然と歌詞の中に出てきた。「ミラノサンドA」は私がドトールの中でも特にお気に入りのメニューで、「今日は頑張ろう」っていう日に食べてたからタイトルに。

でも、非公式に勝手につくっちゃったんですけど(笑)。そんなことをやっていたら、まさかまさかのドトールさんの公式にしていただいて、9月1日から全国のドトールの店舗さんで、私のコメントとともに朝7時から昼2時までかけていただいています。

権八:すごい!

中村:ではxiangyuさんから曲紹介をお願いできますか。

xiangyu:はい!xiangyuで『ミラノサンドA』。

~『ミラノサンドA』放送中~
<公式ミュージックビデオ>

 
権八:いい歌ですね。

中村:さっきxiangyuさんがおっしゃっていた、コロナ禍での「自分は何して生きてるんだろう」っていう感覚は歌詞の表層には出てこないで、ドトールと対峙する自分に表出してる部分を見ると、ドトールにとって最高の歌になってる(笑)。奇跡のマッチングが生まれてますよ。

権八:「やなこと全部に 中指立てて」「やなこと全部けすよ スワイプ」、それで「駅までダッシュ」というところ。失いかけた日常への愛と、コロナ禍における殺伐とした気持ちがちゃんと描かれている。

xiangyu:これもう号泣だ!嬉しい。

権八:私小説のようで、ぐっと来ますよね。あとミュージックビデオ!すごくないですか?

xiangyu:ミュージックビデオは、全国のドトールをGoogleマップのストリートビューで回りました。本当に全ての店舗をストリートビューでまわって、全部収録してつなぎ合わせたという内容です。監督は私がInstagramでスカウトのような感じで声を掛けた松田瑞季さん。普段はカメラマンをされていて、なんとこれが映像初監督。

権八:えー!そうなんだ。

xiangyu:映像初監督なんですけど、彼女の何を見て私がオファーしたかっていうと、Googleストリートスナップ。Google Earthの中には、モザイクがかかってる映り込みの人っているじゃないですか。そういう人たちの面白いファッションを抜粋してまとめているInstagramアカウントがあって。その管理人が松田瑞季さんで「このアイディアは面白い!」と思ってオファーして、このミュージックビデオの制作にいたりました。

権八:素晴らしい。

xiangyu:すっごい面白い方。

権八:ぜひ皆さん見てほしい。家にいるxiangyuちゃんが、Google Earthで全国のドトール店舗を見てるみたいな。リモートのマルチ画面でね。

xiangyu:レシートにも「xiangyuの曲かかってます」っていうのを書いていただいています。レシートにURLも載せていただいていて、そのURLからもミュージックビデオに飛べるようになってるんで、もしドトールに行く機会があったらぜひレシートも見てもらいたいですね。

権八:すごいコラボになりましたね。

xiangyu:まさかまさかの。

澤本:お世辞じゃなくて、むちゃむちゃいいですよねこの曲。

xiangyu:うわ~監督にも聞かせます~!ドトールの方にも届いたらいいなとかはぼんやり思ってたけど、そこに媚売って作ったわけでも何でもなくって。単純に「これだけ普通に過ごせる毎日が尊いって思うことが来るなんて」っていう思いで、そんな毎日を大事にした曲にしたかった。その思いが制作チーム全員一致していて、できた曲をこんなにも聴いてもらって、そんな言ってもらえるなんて嬉しいです。

澤本:この曲をつくってくれてありがたいですよ。

xiangyu:そんな……すごい、ヤバいなこれは(笑)。

澤本:全然お世辞じゃなくて(笑)。だってこの曲がない状態で、例えば僕がずっと「xiangyuが、xiangyuが」って言ってたら、一通り聴いた後にみんなに「キワモノ好き」って思われるじゃないですか。「『餃子』(2019年)の歌が好きなんでしょ?」とか。

権八:「面白ソングの人」みたいにね。

澤本:そうそう。「『プーパッポンカリー』(2019年)でずっとカレーの名前言ってるんでしょ」とか。キワモノ好きの人みたいな感じで言ってたら「いや、この曲良いじゃん」「ちゃんと書ける人がそういうことやってた」ってなると、xiangyu好きと言ってた人間としても「俺ちゃんとそういうの見分けてるんだぜ」みたいな(笑)。

権八:それ自分の見え方でしょ(笑)。

澤本:そうそう(笑)。

xiangyu:ちょっとさっきの涙返してくださいよ~(笑)。

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