ワンスカイの福里真一氏、博報堂ケトルの木村健太郎氏、POOLの小西利行氏の3名が登壇し、「アイデアとプレゼン」について話し合った昨年の電通デザイントークの続編が行われた。企画の真髄にさらにぐっと迫った、そのダイジェストをお届けする。
時代を取り込むフレームワークの作り方~BOSS「贅沢微糖」のCM
木村:
「TOYOTOWN」のCMは、僕たち
出身の人間からすると、すごく“
的”に見えます。前回のトークで福里さんに聞いて「なるほどな」と思ったのは、TOYOTOWNのCDである佐々木宏さんが、海外ドラマの「『デスパレートな妻たち』みたいなCMをつくりたい」とディレクションした、というお話でした。普通のCMにはない、全体に何かが通底している感じは、そこから作られているんだなと。
福里:
『デスパレートな妻たち』は、とある街に暮らす、一見平凡な主婦たちが実は様々な秘密を抱えている、ということを描いたドラマです。その謎が謎を呼ぶ展開を参考にしろ、と。ちなみに、佐々木さんにそのドラマを最初に見るように薦めたのは
出身の某黒須さんらしいんですが(笑)。
小西:
佐々木さんって、普段どんなクリエイティブディレクションをするんですか。
福里:
一言ではなかなか言い難くて、簡単に言えば「ずっと色々なことを言っている」という感じでしょうか…。2時間打ち合わせがあったら、2時間ずっとしゃべっているわけで、最初と最後で言っていることがむしろ逆ということもありますし、その時のテーマとは全然関係なさそうなことも入っていますし。で、打ち合わせが終わる頃になると急に「じゃあ、考えてください」と。普通の人は何を言われたか分からないですよね。そこから、まっさらにして考え始める人もいれば、佐々木さんの話から何かを抽出しようとする人もいて、でも一番精神が崩壊するのは、言われたことを全部聞こうとする人ですよね。全部受け止めようとすると、色々なことを言われすぎて結果何もできなくなるという。
