Aカテは職人化、Bカテは越境して広がり続ける!? ACC賞フィルム部門 佐久間宣行(テレビ東京)審査委員×澤本嘉光審査委員長が対談


<参加者>

澤本嘉光 氏
電通/シニア・プライム・エグゼクティブ・プロフェッショナル/
エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

佐久間宣行 氏
テレビ東京/プロデューサー

 

左)澤本嘉光 氏
右)佐久間宣行 氏

ACC賞フィルム部門のAカテゴリー(テレビCM)、Bカテゴリー(Online Film)、そしてテレビの世界、動画の世界はこれからどう変わっていくのか。「ゴッドタン」「青春高校3年C組」など数々の“新しい”番組づくりをしてきた佐久間審査委員と、澤本審査委員長が作品募集直前対談!

審査委員の構成–テレビの人はCMをどう見るか

佐久間:

昨年初めて審査に参加しましたが、楽しかったですね。好奇心から楽しんだというのに加え、審査委員のメンバーが刺激的でした。風通しがよくて、否定の意見でも言いやすくてつぶし合いにならない。

澤本:

なるべくそういうメンバーに来ていただけるようお声がけしたんです。これまでの経験から、審査委員が楽しんでやれた時の結果はいいんですよ。だから、楽しんでくれたら一番いいなと思っていました。佐久間さんに来ていただけた時点で、僕の役割は完了したようなもので。

佐久間:

いやいや。しかし審査が始まった時、僕が佐々木宏さんと川村元気さんの間に座っているということに笑っちゃいましたよ。

昨年(2017年)のフィルム部門審査会

澤本:

以前のACC賞では、審査委員のほとんどがクライアントの方と広告会社の人間で構成されていたんですけど、ある時期から広告会社の方とCM監督などの制作者が審査委員を固めるようになり、すると僕から見るとものすごく内向的になっていた気がするんですね。

佐久間:

なるほど、誰が何をつくったか知っている状態での審査になってしまうということ。それはそうだろうなあ。

澤本:

そうなると、ほかの業種の方から見てさほど興味のないものになるのではと。やっぱりテレビや映画といった他分野でフィルムをつくっている方々から見てどうかという意見を聞いておかなければいけないと思いました。とくに秒数無制限のWebが入ってから、CMだなんだと言っている場合じゃないだろうなと。そういうわけで佐久間さんには審査に加わっていただいたんです。テレビをつくっている方がAカテゴリー(以下、Aカテ)の秒数の短いものを見てどう思うか、またはBカテゴリー(以下、Bカテ)の長いものを見てどう思うか、興味がありました。

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