(2)コンテンツ、インバウンド、MAを集約する次世代オウンドメディアの登場
2つ目は上記で唱えたマーケティング4.0を実現するためにも必要となってくるマーケティングの企業インフラ、すなわちオウンドメディアが注目されるであろうということである。マーケティングの概念として広がりを見せるインバウンドマーケティング、手法として広がりつつあるコンテンツマーケティングやMA (Marketing Automation)、各種メディア(広告媒体、ソーシャル、店頭など)や企業活動(PR、IR、CSRなど)をリアルタイムで包括するできる場はオウンドメディアのみであり、また、コンテンツマーケティングのように外部へ拡散する場合には、それらの活動を集約し結び付けることを行わないと独り歩きして製品や企業に対して誤った印象を植え付けてしまいかねないからである。
この時に重要になってくる考えがスマホファーストおよびSoT (Smartphone of Things)であると考える。消費者の時間や行動はますますスマートフォンに集約されてゆくのでデジタルを含めたすべての活動は顧客層にもよるがまずスマートフォン上でどのようなユーザー体験を提供するかを規定して、それをどのように他のタッチポイントにも広げてゆくかという考え方(スマホファースト)が必要になってくるであろう。
また、世界的大ヒットの様相を呈しているリコーの360度カメラ「THETA」はスマートフォンアプリとの連携が必須になっており(インターネット接続は必須ではない)、IoT(Internet of Things)ならぬSoT (Smartphone of Things)を実現していると考えられる。筆者の考えではIoTはビッグデータを集める手段であるが、マーケティングにはコミュニケーション手段であるスマートフォンと直接つながるほうがはるかに企業にとっての価値が高い。話を戻すと、スマートフォンの上でのユーザー体験を重視した各種マーケティング施策を集約する新しい形のオウンドメディアが登場して普及し始めると筆者は予測している。
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