映画館でみんなで「歌う」という新たな試み
しかも、ディズニーはこの「歌う」ブームを自ら仕掛けていたのである。まずは4月17日に“みんなで歌おう!「アナと雪の女王」”イベントを実施し、全国から応募したファンを招待し、その模様を積極的にPRした。
筆者もその模様をワイドショーなどで目撃したが素晴らしい施策であったと思う。多くの招待者は主人公になりきった衣装で有明の会場に集結し歌を歌い、その模様が多くの媒体で取り上げられた。
「Let It Go!」とは自由に力を状出してよいという意味であり、観客が歌っている姿はまさに映画館で歌うというタブーを破って己を解放した瞬間ではなかっただろうか?
また、GWには映画館で字幕付きの「みんなで歌おう」バージョンの上映を行なった。こちらは観客や映画館の慣れの問題もあり、必ずしも思惑通りに行かなかったケースが多かったようだが、試みとしては今後も大きな意味を残すものになったのではなかろうか。
歌うという行為は究極の自分事化であり、今までもダンスと共に多くのキャンペーンで実施されて成功している。歌の一番の利点はブランドの世界観が崩れないこと(一部悪意のある替え歌などは除く)であり、ユーザーが自分事化したコンテンツを広げてくれる格好のインフラである。しかも一瞬のブームではなくロングテール型のコンテンツであるので多くの人が長期間に渡りコンテンツに接触していき、映画の中の曲が順番にヒットしていくような現象がみられるのではないだろうか。このような意味で「アナと雪の女王」は筆者が今まで見た中では最強の理想的なリキッド&リンクドのコンテンツであると考えるのである。
「Let It Go」関連記事はこちら
「アナと雪の女王」関連記事はこちら
「i(アイ)トレンド」バックナンバー
- すべてのマーケティングがサブスクリプション化する?~マーケティング協会のイベントで感じたこと~(2018/5/11)
- 高付加価値経済の実現のために、なぜ賃上げが有効なのか(2018/4/23)
- デジタルテクノロジー/マーケティングの進化で実現するシェアリングと所有の二極化経済(2018/3/13)
- 2018年の日本はデジタルテクノロジー・マーケティングの進化により、ようやく適正価格の高付加価値エコノミーに進化する(2018/1/26)
- ピザ生産遅延、無料クーポン行列、集配遅延はなぜ起きたのか?(2016/12/26)
- まだ始まっていない日本航空の「どこかにマイル」の大ヒットを予想する理由(2016/12/01)
- AI(人工知能)は人類を超えるのか?(2016/7/20)
- カンヌ・サイバー部門総括「社会派の作品はチタニウムに集約へ」(2016/6/24)
新着CM
-
クリエイティブ
BOVAグランプリに「Let’s ギューリッシュ」 短尺・縦型増加で...
-
クリエイティブ
世の中を変えようと挑戦する起業家をヒーローに――2023ACC賞審査委員長が語る
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
クリエイティブ
「これでいいのか?」これからの広告(東畑幸多)コピー年鑑2023より
-
AD
マーケティング
モンデリーズ、店内ビジョンと「ファミペイ」広告活用で新商品の売上が7倍に
-
コラム
語り出すと止まらない!櫻坂46の魅力(遠山大輔)【後編】
-
AD
特集
広報業務が変わる!PRのデジタルトランスフォーメーション
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始