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理想的なリキッド&リンクド・コンテンツ:「アナと雪の女王」ヒットを分析して(2)

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映画館でみんなで「歌う」という新たな試み

しかも、ディズニーはこの「歌う」ブームを自ら仕掛けていたのである。まずは4月17日に“みんなで歌おう!「アナと雪の女王」”イベントを実施し、全国から応募したファンを招待し、その模様を積極的にPRした。

筆者もその模様をワイドショーなどで目撃したが素晴らしい施策であったと思う。多くの招待者は主人公になりきった衣装で有明の会場に集結し歌を歌い、その模様が多くの媒体で取り上げられた。

「Let It Go!」とは自由に力を状出してよいという意味であり、観客が歌っている姿はまさに映画館で歌うというタブーを破って己を解放した瞬間ではなかっただろうか?

また、GWには映画館で字幕付きの「みんなで歌おう」バージョンの上映を行なった。こちらは観客や映画館の慣れの問題もあり、必ずしも思惑通りに行かなかったケースが多かったようだが、試みとしては今後も大きな意味を残すものになったのではなかろうか。

歌うという行為は究極の自分事化であり、今までもダンスと共に多くのキャンペーンで実施されて成功している。歌の一番の利点はブランドの世界観が崩れないこと(一部悪意のある替え歌などは除く)であり、ユーザーが自分事化したコンテンツを広げてくれる格好のインフラである。しかも一瞬のブームではなくロングテール型のコンテンツであるので多くの人が長期間に渡りコンテンツに接触していき、映画の中の曲が順番にヒットしていくような現象がみられるのではないだろうか。このような意味で「アナと雪の女王」は筆者が今まで見た中では最強の理想的なリキッド&リンクドのコンテンツであると考えるのである。

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