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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「存在意義はユーザーに支持されているか? 組織としてお互いを補い合うことが大切」 ——ヤフー執行役員 宮澤氏に聞く

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「検索」は、リアルタイムからちょっと先の未来へ

——社会動向・消費者動向できになることについてお聞かせください。

やっぱり、ロボットの「pepperくん」でしょうか(笑)。これは、半分冗談で半分本気なんです。例えば全自動自動車が開発途上だったりしますが、ああいう動きには注目しています。というのも、それが実現すれば、お酒を飲んでも車を運転できることになるかもしれないですよね。また、車の中で仕事をしたりネットを楽しんだりと、運転しなくてよいことによる、自由な時間が生まれるということです。そうした、全自動の自動車が走ったり、ロボットが人間の家事を代行したりするような時代が、あと10~15年の時間軸で起こるとすると、そこには全く違う時間の生まれ方がされているのではと考えています。

——今後注力していきたいことはありますか?最近は、検索がよりリアルタイムになってきているように感じますが。そうしたことをさらに進めていくのでしょうか?

そうですね。情報に関してはどんどん生活密着型のリアルタイム性を求めてくるようになっていると感じています。今までは、「過去の蓄積を調べること」が検索だったのですが、それがリアルタイム検索によって、ほぼ実況中継的に今何が起こっているかが分かるようになってきました。

そうなると、今後はちょっと先の未来まで検索対象にできないだろうか、などと考えています。あるいは「調べる」という行為をしなくても、個人のログに合わせてパーソナライズ化が進み「こんなのに興味ありますよね」と先回りして教えてくれるとか。そういうことができたらと考えたりしますね。

また、実際のリアル店舗の空席情報とか駐車場の空き状況は、今まではその場まで行ってみるまでは分からなかった。これらが出かける前に分かる、といった、検索窓というオンライン上のひとつの窓が、オフライン側のリアルの世界の壁をひとつ越えて、今まで得られなかった情報を入手できる手段になるようなこと。こうしたことには力を入れていきたいですね。

<取材を終えて>

自身が起業を経験しているからこそ、大企業における人材の育て方に対する考えには説得力があった。また、「生活を豊かにする」という、はっきりしないあいまいなことだからこそ、過去に縛られない新しいアイデアが出てくることをチームに浸透させるだけでなく、アイデア発想における研修も同時に推進することが印象に残った。

 

宮澤 弦
ヤフー 執行役員 検索サービスカンパニー長

1982年生まれ、2004年東京大学卒業直後に株式会社シリウステクノロジーズを創業、代表取締役に就任。10年8月、ヤフーにより買収。その後、ヤフーにてインタレストマッチプロジェクト(現YDN)のプロジェクトリーダー、12年7月よりマーケティングソリューションカンパニー事業推進本部長、13年4月よりメディアサービスカンパニー検索事業責任者に就任。 14年4月より執行役員、検索サービスカンパニー長に就任。