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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

平日は研究三昧、休日は紙芝居屋の理系大学院生が、広告会社へ。

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[寄稿者一覧はこちら]

髙田 真理 電通関西支社 マーケティングデザイン局

「なんであなたは、こんなところで働いているの?」

自己紹介をすると3回に1回くらいは聞き返されてしまいます。大学時代は、農学研究科に所属し「美味しさの研究」をしていました。毎日白衣で動物実験をしたり、論文を読んだり…という生活。コピーのことも、広告のことも何も知らない理系の大学院生でした。

私は高校生の時から、「日本文化」や「食」が好きで、日本の食文化の根底である「鰹ダシ」を研究している研究室に入りました。研究者として、日本の食文化や日本食の美味しさのメカニズムを解明、発信したいと思ったのです。

ところが、現実はそう甘くはありません。

実験は失敗の連続。
地下室で1日誰とも会話をすることもなく黙々と実験していると、私の性格上、どうにも頭がおかしくなってしまいそうになるのでした。

「一生、研究の世界でやっていくのは厳しいな」

研究者という夢を断念した私は、もう一度ゼロからやりたいことを考え直しました。
研究者として、日本食を研究することで日本文化や食を発信していく方法もあるけれども、別のアプローチで「日本文化」や「食」を発信できないか。
ああ!作る側じゃなくて、その魅力をひきだす側になればいいんだ!
と思い「人の心を動かす仕事 ナンデモアリ」と言っていた広告会社に興味をもったのでした。

もう一つ、平日は朝から晩まで実験三昧の傍ら、休日は「清水寺で紙芝居師」という別の顔を持っていました。紙芝居道40年の“ヤッサン”の生き様に衝撃を受け、「日本文化」というところでもピンときて、出会ったその日に弟子入りしました。

…と、こんな話をしていたら、普通は
「大学院まで行ってなんで食品メーカー目指さないの?何?突然、紙芝居!?君のやりたいことよくわからんなあ。」
と言われそうなところですが、私の話を「面白いねえ!」と聞いてくれた今の会社。「ここでなら、日本文化も食もそれ以外も、心拍数高くやっていけそう」と思い、縁あって入社することになったのです。

現在はプランナーとして、食品や酒造、製薬メーカーをはじめ、ミュージアムや公園・文化関連のプロジェクトなどに従事しています。入社3年目、まだまだ1日を生きるのに精一杯な日々ではありますが、そのあたりはおそらく次回以降で。

長い自己紹介となりましたが、今月は私があと3回担当させていただきます。次回は「プランナーこそコピーを学べ」。何も知らずに広告会社に入り、プランナーとして配属された私が、なぜコピーライター養成講座に通うようになったのか。先輩の一言をきっかけとした経緯についてお話します。


髙田真理(たかたまり)
電通関西支社 マーケティングデザイン局所属。
2012年に京都大学大学院農学研究科を修了、入社以来プランナーとして広告戦略の立案などに従事。新入社員時代にコピーライター養成講座基礎コースを受講。
第7回OAAA広告エッセイ大賞グランプリ受賞、2014年9月「世界一の紙芝居屋ヤッサンの教え(ダイヤモンド社)」を出版。趣味はミュージアム巡り。

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