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コラム

「今夜もビールで乾杯!ソーシャルで愛される企業になる方法」

お客さまの顔見えていますか?サッポロビールがSNS投稿をすべて内製化する理由

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広告会社が運営する場合、投稿内容を考え運用する方たちは、私たちのお客さまとのリアルな接点を持っていません。そのため、コミュニケーションにリアリティがなかったり、お客さまの心理を知らないまま投稿したりすると、お客さまはそれをすぐに感じ取ってしまい、相手にしなくなるだろうと考えているのです。

ソーシャルメディアは企業の言いたいことを一方的に流すメディアではなく、お客さまがご自身のお友達とコミュニケーションするツールです。企業はその場に仲間として入れてもらっているだけです。

例えば、居酒屋で友人と楽しい時間を過ごしているときに、見ず知らずの営業マンが突然現れ、会話に割り込んできたらどう思いますか?ビックリしますよね?気味悪いし、ナンパ目的か!と勘ぐってしまいます。

ですから、当社では現場の声に耳を傾け、ネットで傾聴分析し、どのように思われているか?何が嫌いで何が好きなのか?普段どんなシーンでビールを飲んでいるのかなどを判断し、それぞれの投稿内容を自社内で考えます。

すべての内容を自社製品に落とし込む必要はなく、十五夜であれば「お月さま」、台風などの悪天候であれば注意を促すなどなど、自分たち社員がお客さまとどのようなコミュニケーションするべきかという考えに基づき、運用を続けています。

このようなお客さまの声をどのようにマーケティングに活かすかという点では、運用を始めて3年半が経ち、社内のさまざまなデータとの連動も始まりつつあります。ソーシャルメディアのデータだけでは、当社や商品に対してのポジティブ・ネガティブ、バスワードといったものだけになってしまいます。

三菱電機 宣伝部ウェブサイト統括センターの粕谷俊彦氏の言葉を借りれば、

「健康診断のデータと、ビジネスに使うデータは違う。例えば、体重が65キロから62キロに減って、マラソンが速く走れるようになったとする。でもそれは、ビジネスでいうところのコストダウンによって身軽になったというだけで、本質的な意味で上手くいったわけではない。健康診断のような結果のデータだけでなく、マーケティングに本当に活用できるデータとはなんだろう?これからのWebマーケターは、それを見つける必要がある。」

本当に活用できるデータを探し、それを、どのようにして売上に貢献することが出来るのか?それを可視化できるのか?というのが現在の課題です。

次回は、ソーシャルメディアで行うキャンペーンのポイントについてお話しします。


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森 勇一
2009年よりサッポロブランド戦略部宣伝室に異動しWEBサイトリニューアルを実施。現在サッポロビールWEBサイトを担当し、ソーシャルメディアなどにも取り組む。
2013年11月、インターネット分野で優れた成果を挙げた人材を表彰する第1回Webグランプリ(日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会主催)の「Web人部門」にて、ビール業界で初めて企業公式フェイスブックページを立ち上げるなど、ソーシャルメディアを活用した取り組みが評価され「Web人大賞」を受賞。