コラム

米国マーケティング業界、トップランナーに聞く。

米国の人気航空会社、JetBlueのデジタルxソーシャル戦略

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はじめまして。Ys and Partnersの結城彩子です。
日ごろ、アメリカで仕事をしていると、ブランドやデジタル、ソーシャルメディアやPRなど、一線で活躍するプロフェッショナルたちがその垣根を越え、互いの成長のために議論する場に居合わせることが少なくありません。それは時に大切なヒントを私たちに与えてくれます。
今回、そんな気づきを求めて、大きな括りで言うと、米国のマーケティング業界、その現場のフロントラインで活躍している人々のなかでも、特に話題になっているトップランナーと実際にお会いし、彼らの今をたずねてみることにしました。毎月、面白い人と秀逸な最新の事例などをご紹介していけたらなと思っています。

JettBlue社でカスタマーサービス/ソーシャルメディアチームを率いる、ローリー・ミーチャムさん

私がとても身近に感じているエアライン・ブランドにひとつにJetBlue Airways(ジェットブルー・エアウエイズ)があります。今回はインタビューシリーズ初回ということもあって、私たちが日ごろから注目しているJetBlue社のカスタマーサービス/ソーシャルメディアチームのマネージャー、Laurie Meacham(ローリー・ミーチャム)さんにお話を伺いました。

JetBlue Airwaysは 1998年に創業された新進気鋭の米国航空会社です。北米では人気のエアラインではあるものの、日本にはまだ就航していないため、読者の皆さんには馴染みがないかもしれません。

現CEOのデビッド・バーガーとデビッド・ニールマンが1998年に立ち上げたアメリカのエアラインとしては最も後発隊のひとつです。弊社ワイズアンドパートナーズの米国・ニューポートビーチオフィスから車で20分くらいのところにある小さな空港、ロングビーチ・エアポートから主に国内を就航しています。その搭乗口については、ファンシーなゲートとはお世辞にも呼べず、ミッシミッシと音をたてるベニア板のような廊下を歩いて乗り口まで歩いたこともありました。

しかしながら、このブランドが短期間に多くのユーザーから信頼を勝ち得るに至ったのは、コミュニケーション戦略の中核にデジタルとソーシャルネットワークを据えたからだと、創業者である二人のデビッドは断言しています。

同社マーケティング上級副社長のモルガン・ジョンストン氏は、それをこのように説明しています。

「顧客と積極的にコミュニケーションを取ろうとしていること自体、私たちが伝統的なブランドではないということを証明しています。私たちは基本的にJetBlue Airwaysというブランドと、顧客の圧倒的多数が訪れるjetblue.comというデジタルブランドの二つを所有しているのです」。

私もJetBlueのFacebookページにLikeをし、Twitterでつながっている一人ですが、同社から素敵なサービスを受けたことによってさらに絆が深まった経験があります。

それは昨年のこと。ニューヨークでのコンファレンスの帰途についた金曜の午後、JFK空港に行くタクシーで思いも寄らない渋滞を経験しました。これはもうさすがに間に合わないだろうという30分前になって、私は電話、Twitter、e-mailのいわゆる三種の神器を使ってJetBlueに連絡をしてみました。これはマーケターとして、同社のサービスを試す良い機会でもあると思ったからです。
 
 そして、数分後に返事がありました。すでに最終便にチェックイン済みで、後がない私にとって、JetBlueの対応は粋なものでした。キャンセル料を一切取らず、翌朝のフライトに移してくれると快く予約の変更をしてくれたのです。

そのときかかった手数料は通常と同じ、フライト変更手数料だけです。他のエアラインだったら、一度チェックインしたチケットが無駄になり、さらに新しいブッキングをせざるを得なかったと思います。同社が満足度の高いサービスを顧客に施し、関係が一段深まった瞬間でした。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、2014年の夏にJetBlueのカスタマーサービス/ソーシャルメディアチームのマネージャー、Laurie Meacham(ローリー・ミーチャム)に、フロリダ州オーランドで行なわれたソーシャルフレッシュ・コンファレンスのセッションの後に対面で取材をすることができたので、ここにご紹介したいと思います。

次ページ 「FacebookやTwitterも年中無休、24時間体制で監視しています。」へ続く

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