フェスでもあるんですか? いや会議です。
店長になると、店長会議というものがあった。今は年に1回しかないのだが、まだ会社の規模がここまで大きくない頃は、3カ月に1回開催されていて、全店長が、名古屋駅から中央線で40分ほどの山奥に集まり、意見交換し合うのだ。当時、店長に女性はおらず、濃縮還元された男子校みたいな雰囲気。ヒッピー、パンクス、ヘビメタなどなど、金髪、ロン毛がいっぱいだ。そんなバラエティに富んだ面々が全国から集まり、その日は名古屋駅の改札あたりから異様な雰囲気が立ち込める。
電車で乗り進んでいくうちに、乗車人数は減っていき、おばあちゃんがモヒカンとベルボトムに挟まれるみたいなことが起こっていた。終点の少し手前の無人駅でこの謎の集団は一斉に降りていき、さぞかしおばあちゃんはほっとしただろうと思う。
駅からバスに乗って会場に着くと、セミナールームみたいな場所で、まず社長の話があり、共有事項アナウンスが行われる。そのあとはグループにわかれて分科会だ。
初めて参加したときのことをよく覚えているのだが、各店長たちが写真を持ち寄って売場の話し合いをするというものだった。ひとり一人プレゼンをしていくわけだが、超天然のSさんが最後の番に回ってきた。「ちょっとみんなと違う感じなんですけど」もじもじ…。なんか、様子がおかしい。「いいからまず見せて」「え~っと、、これなんですけど」「なにこれ?」「うちの実家の犬です」「はっ?」「すいません、自分のところの写真持って来いって言われたんで、実家の写真持ってきちゃいました」予想もしないオチに全員でずっこける。おまえは吉本新喜劇か。結局そのときは、大量の「実家の犬」の写真をみんなで見て「かわいいね」と意外に盛り上がったのを覚えている。
「「ヴィレッジヴァンガードに学ぶお店づくり~こんなんだってあり~」」バックナンバー
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