暑かったので、本を冷蔵庫でキンキンに冷やしてみた
本は本棚に置かなくてはならない理由は一切ないので、雑貨のコーナーにも、雰囲気・ノリで、書籍をよく投入していた。
例えば、イイ感じのイラストが描かれた入浴剤があったりすると、入浴剤の種類別に、それにあった雰囲気のファンタジックな文庫本をセットにして置いてみたりもした。
本という少し権威的な印象を与える商品に、ちょっとした工夫を施すことで、まるで書籍が雑貨のように見えてくる。
また、ありきたりな入浴剤のような雑貨に、本というアイコンを使うことで、その商品にストーリー性を生むこともできる。
他にも、トイレ用品の売場には、トイレで読むための本として5分で読めるくらいの短編集を集めてみたり、大がかりなものだと、「本、冷えてます」と称して、夏に読みたくなるような本を、ジュースと一緒に、冷蔵庫でキンキンに冷やし、まるでコンビニのアイスを買うような感覚で本を選んでもらうフェアをやったりもした。
本を売るにしても、本を欲していないひとに向けて売場を作るわけで、彼らに本を手に取らせることは非常に難しい。
とにかく「何かしないと」と、必死だった。失敗もいっぱいしたし、どうでもいいようなこともいっぱいした。
何かやらないと存在意義がない、必要とされない、まったく売れない、路頭に迷う・・・、そんな人一倍のネガティブ思考で危機感に迫られながら、日々、考え努力してきたことで、創造力や商売のスキルは鍛えられていったのは不幸中の幸いだった。
「「ヴィレッジヴァンガードに学ぶお店づくり~こんなんだってあり~」」バックナンバー
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