コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

新しい視聴計測で、テレビは「おばさん化スパイラル」から抜け出せるか?

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フジテレビの番組を若者がネットで見ている

フジテレビはオンデマンドサービスに早くから力を入れてきて、独自の展開を見せています。フジテレビオンデマンド、と呼んでいたのを“FOD”と呼び方を変えていろんなことをやっています。

見逃し配信もFODの中でやっていて、データをとっています。サービスのハードルになるのは承知の上で、あえて最初に生年月と性別を聞いているのです。7月からそういうやり方で属性データをとりはじめて、10月のデータを集計したそうです。InterBEEの基調講演で公開したというので、スライドをお借りしました。見ていくと、驚きます。まずこれがサービス全体のデータ。

ざっくり言うと、若い女性が多い。テレビはおばさん化しているけど、FODは若い女性が圧倒的勢力で、F3なんかここでは少数派です。

さらに番組別で見ると、例えば『オトナ女子』はこうです。どうでしょう?『オトナ女子』は篠原涼子主演の、タイトル的にも設定的にも“アラフォー女子”向けのラブコメです。F2受けしそうな企画。でもFODではF1がコアで、ティーンもけっこう見ています。なんだ、そうなの?

それからこれは、『テラスハウス』のデータです。ほとんど若者だけ。しかもテレビ離れがもっとも激しいM1も見ています。

このデモグラフィックデータは、番組によって全然違っていて、中年の男性が多い番組もあるそうです。

このデータはどう受けとめればいいのでしょうか。テレビで放送している同じコンテンツを、見せるデバイスを変えていつでも見られるようにしたら、視聴層が全然変わった、ということだと思います。

テレビはつまらなくなった。若者はテレビ離れしている。そう言われるようになって久しいですね。その通りだと思います。1960年代生まれのテレビ世代としては、そう嘆いてしまう。

でも、FODのデータを見るとそうとも言い切れないかも、という気もしてきます。つまらなくなったはずのテレビ番組を、離れてしまったはずの若者が、けっこう見ているのです。正直、FODはじめテレビ局の配信サービスはアピール不足です。とくに見逃し配信ははじまったばかりですから。でも、「テレビはネットでいつでも見ることできるよね」ということが“常識”になっていったら、このFODのデータでの視聴者数が格段に増える可能性があります。いまでも各番組を数十万人程度が視聴するそうです。それが数百万人になっていったら、テレビで物足りない視聴者数をネットが補う構造になるでしょう。

そしてネットでの視聴者のメインが若者になれば・・・そう、おばさん化から脱却できるのです!

この一カ月にあったもうひとつの話題が、TVerの100万ダウンロード達成です。テレビ局が共同で作った見逃し配信アプリが、三週間で100万人に使ってもらえた。テレビをネットで見るなんて当たり前、そんな常識がこれからできる、その第一歩が踏みしめられたのではないでしょうか。

だからもう、テレビ局は放送にこだわるのやめましょうよ、ということです。

テレビ局の人は、放送が大好きみたいです。そりゃあね、日本中の視線を集めるコンテンツ作ってきたら、その醍醐味たるやスゴいんでしょう。「境さん、やっぱりね、放送ってスゴいんですよ。一度にたくさんの人に同じコンテンツを届ける仕組みとしてね、最強です」と、テレビ局の人は私に言います。その度に、「はいはいはい」とはいを三回重ねて返したくなります。言いませんけど、その呪縛から抜けだせよ、と本当は言いたいんです。

この図が、わからないなあ、という人は、あるいはもっとわかりたい、という人は、私が運営している勉強会・ソーシャルテレビ推進会議に来ればわかるかも。詳しくはこちらをどうぞ。

この図のように、抜け出せば強くなります。テレビの可能性は放送だから、ではなく、放送にネットを融合できるから、なんです。わかります?テレビとは放送であって、ネットで番組を配信するのは邪道だ!あんなのはテレビではない!そんな思い込みを捨て、それも有りだよね、それだってテレビだよね、と認める。それだけでいいんです。

わかりますよね?

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