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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

「良いコピー」とは何なのだろうか考えてみました

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「新しい」は難しい

その豊富な例に納得しながら(確かに新しい価値観をもたらしていました)、改めて「新しい」は難しいなと思いました。社会が劇的に変化しているような時代なら、新製品と言えば他と差別化が明確で、新機能と言えば、まさしく見たことのない機能だったのでしょう。つまり商品自体が新しく、それを言葉によって新しい価値を提示していたことが想像できます。

ところが今の時代の新商品は開発においても差別化が難しく、商品の間の差異がそれほど劇的ではないと思います。だから、この時代においても良いコピー、つまり新しい価値観を提示するとしたら、書き手の発想や哲学が昔よりも求められるのではないかと思います。商品自体ではなく、それを売る側の視点の方に新しさの比重がかかるからです。

また、新しさとは0か1で新しい/新しくないと割り切れるものではなく、濃淡がある「新鮮さ」なのではないかな、と個人的には思いました。つまり、より新鮮に映る価値観を提示するのが良いコピーで、鮮度がない価値観の提示がダメなコピーという僕なりの見立てです。

僕は普段芸人としてネタを考えていますが、本当に新しいネタというものはあるのか、ないのか分からないくらい難しいものです。一見新しく見えても、見る人によっては所詮何かと何かの組み合わせだな、と分析されてしまいます。

ただ、お笑いの世界でも新鮮なネタは評価されます。そのコンビがいつもと違う関係性やキャラを見せたり、ネタの切り口が世間の1歩先を捉えたりすると、多くの笑いを生みます。 

そういう新鮮さが、良いコピーにおいても核なのではないかと考えました。

今回、真面目なことばかり書いてしまいました。芸人が真面目に語ると、新鮮に映ることを期待して今回のレポートを終えます。

なお、今回課題(宿題)が出ました。しかも前述した谷山さんからの課題であったため、一目見た途端、緊張が走りました。課題内容は、ある商品をもっと売るためのキャッチコピーを20本提出するというものです。そして、これを提出したら谷山さん自らが採点して、後日講座で講評してくれるらしいのです。

そこで次回は、谷山さんの講座と課題への取り組みをレポートしようと思います!

今野和人(お笑い芸人/第53回宣伝会議賞グランプリ)

1984年12月7日生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。プロダクション人力舎の養成所「スクールJCA」で雨宮龍也・井村俊哉とともに、お笑いトリオ「ザ・フライ」を結成。キングオブコント2011準決勝進出。第53回宣伝会議賞グランプリ受賞。https://twitter.com/thefly_konno

 


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