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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

ニッポン放送よっぴーが聞く「椎木さん、ラジオと10代のギャップはどこにありますか?」

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「10年後にラジオがなくなるだろう」と言われ続けて70年

吉田:1週間に5分間ラジオを聴く率、いわゆる週間接触率が、日本は37%って言われてるんです(NHK放送文化研究所 2016年報告書より)。

それが欧米だと90%なの。日本って圧倒的に低いんです。

そもそもラジオって、1950年代にテレビが出て以降「10年後になくなるだろう」って70年間も言われ続けてるメディアなんです。意味わかんないでしょ。

椎木:いまでもラジオは10年後になくなる、って言われていますよね。その状態が戦後からずっと続いているとは思いもしなかったけど、ラジオは古いメディア!もうオワコン!というのが一般的な意見な気がしています。

吉田:昔は、テレビ電話が出たらみんながそれをするだろうって思ってたんですよ。
スマホが普及して、ほぼ100%テレビ電話ができるようになったのに、ほとんど映像つきで会話することってないですよね。電話自体はしているはずなのに。

椎木:確かに。わたしもビジネスの相手とごくたまにSkypeを使うくらいで、プライベートではほとんど使用しないですね。

吉田:映像で双方向にやりとりがリアルタイムでできる時代になったのに、意外にも普及していないんです。多分ラジオがなくなっていない理由ってそれなんです。

世界中全ての文化において、リアルタイムの双方向通信は音声が最も使われていて、映像つきの通信が優位になった事実はないんです。

椎木:なるほど。

吉田:とすると、人間同士のコミュニケーションは音声だけのほうがいいのかも。技術的に優位ではないラジオの方が、実は優れている可能性すらある。

だから、日本という国はラジオを有効活用できていない。もったいないんです。

ラジオは10年後なくなっていくだろう、っていうのは全く逆で、著しい成長産業という可能性すらあるんです。僕は、今の市場規模の倍以上の伸びしろがあると勝手に思っているので、それが伸びていないのは、何か間違っているんだろうな、と。

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