コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

2018年、テレビ視聴計測が変わる。それは、広告業界の「平成」が終わる準備かもしれない。

share

テレビCMとデジタル広告の共通指標が生まれる背景とは?

これについてはちょうど、資生堂ジャパン・コミュニケーション統括部長の小出誠氏にセミナー登壇のご相談をしていた秋口に、JAA(日本アドバタイザーズ協会)の中で、そんな議論が進んでいることをうかがっていました。

11月末にJAAの中で進めることが決定し、本格稼働をめざして準備中だそうです。雑誌「宣伝会議」2月号に、小出氏による記事が出るそうですよ。

なぜ、こうした取り組みがスポンサー企業にとって必要になったのでしょう。

企業の宣伝活動の目的は、もちろん生活者にメッセージを届けることですが、同じくらい重要な目的が流通企業へのアピールです。消費財メーカーが宣伝活動への投資をどれくらい行うかは、流通企業が商品の棚を確保する際の重要な基準になっています。

簡単に言うと、広告いっぱいやってくれるなら売れそうだから棚を確保したいと考えるわけです。その基準はテレビCMの投下量に重心がおかれ、スポットを何GRP打つかが材料とされてきました。

でもいま、メーカーは特に若い人にアプローチするには、デジタル広告への投資もしないわけにはいきません。ただデジタル広告は複雑で、これまでGRPで会話してきた流通企業の担当者からするとわかりにくいようです。乱暴な例えですが、メートルで語っていた中に、いきなりインチで話をされるようなものです。メートルとインチが混在したままでは、広告投下量を議論しにくい。

テレビとデジタルを同じ指標で表現できるようになれば、流通企業ともきちんと話ができる。JAAとしてスポンサー企業が共同で、この取組みを進めようと決まったわけです。そしてそれを、流通企業にも理解してもらおう。そんな動きです。

広告制作の現場を経験していると、この必要性はよくわかります。いま、理想的なコミュニケーションにおけるテレビとデジタルの比重と、流通企業にアピールするうえで必要な比重に、かなりのギャップが出てきているのです。

十年くらい前から、このギャップは生じていましたが、いまはもう許容範囲を超えるギャップになってきているのでしょう。テレビとデジタルの共通指標は、もはや急務と言えます。

この動きをスポンサー企業の中で、共有していくのも啓蒙期間が必要でしょうし、流通企業と共有するには、もっと大変だと思います。でもだからこそ、年単位で時間がかかっても、定着していくべきことだと思います。

もうひとつ紹介したい動きがあります。これは2つの要素を一度に説明せねばなりません。

次ページ 「リアルなデータが取得できることで、何が変わるのか」へ続く

Follow Us