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コラム

ヒーローたちの必殺マーケティング術

ヒーローたちの墓場

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ヒーロー史上最凶最悪の敵「愛の戦士レインボーマン」1972-1973

「まんが日本昔ばなし」のテーマソングの作詞で有名な川内康範原作の「レインボーマン」。

敵である「死ね死ね団」の目的は日本国家の解体と日本人の殲滅です。

宗教団体を通じて大量の偽札を流通しハイパーインフレで経済を破綻させるとか、人工地震と津波を発生させ国力の低下を招き国際社会からの孤立を目論むなど、「世界征服」を目的にしながら保育園のバスをジャックするショッカーの無邪気さとは一線を画していました。

彼らのテーマ曲は「しね しね しね しね きいろい日本 ぶっつぶせ 世界の地図から 消しちまえ しね」(歌詞一部抜粋)です。ざわざわしますね。

過激すぎる表現内容から、ヘイトやナショナリズムと結びつけれることもあるのですが、この作品はシンプルに他者への愛を通じて、平和の大切さを説きたかったのではないかと思います。

川内康範の別ヒーロー作品「月光仮面」のテーマが「憎むな、殺すな、赦しましょう」であることや、レインボーマンが「愛の戦士」であることからもおおよその推察がつきます。

子どもの頃はそんな思想にまったく気づくことも影響されることもなく、もっぱら主題歌を「インドのやまおくでんでんむしかたつむり~♪」に替えて歌っていました。

もっと評価されてもいい「魔法の天使クリィミーマミ」1983-1984

古くは「ひみつのアッコちゃん」から、最近では「プリキュア」などに代表される魔法少女モノ。その系譜において異色の存在なのが、「うる星やつら」で有名なスタジオぴえろ制作の「魔法の天使クリィミーマミ」です。

10歳の少女が魔法で16歳に成長した姿に変身して、小学生とアイドルの二重生活を送るストーリー。現実のテレビの歌番組に出演したり、魔法の力を失いコンサートのラストにファンの目前から消えていく最期など、芸能界を舞台にした日常と非日常、リアルとバーチャルの交錯感は、アニメという枠を超えて現代のアイドル像にも少なからず影響を与えたのではないでしょうか。

マミの声優である太田貴子さんが歌うテーマ曲「デリケートに好きして」と「LOVEさりげなく」はスタジオぴえろのアニメーションとあいまってポップでドリーミーな世界観を作り上げています。近年の80年代シティポップ再評価の流れに乗って、もっと評価されてもいいのではないかと思います。

ヒーローが生まれた日

今なお続くシリーズのルーツとなったヒーローたち。その多くは1970年代に生まれました。現在と違って人口の多い子どもの人気が消費に直結した時代です。

テレビ局と広告会社はスポンサー獲得のために、こどもに人気のコンテンツを開発する必要がありました。ヒーロー誕生にはそういうマーケティング戦略的な側面があったにせよ、それらを生み出したのは一部の天才のひらめきと、それを支える才能溢れる作り手の情熱でした。

彼らにはヒーローを通じて子どもたちに夢や希望を訴えることで、これからの日本を良くしようというビジョンがあったに違いありません。

市場調査やマーケティングリサーチからはイノベーティブな発想のヒーローは生まれることはなかったのではないでしょうか。

次ページ 「Can we become a HERO?」へ続く

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