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コラム

国民総ダンサー時代前夜に考える、ダンスとクリエイティブの幸福な関係

「バブリーダンス」は奇跡ではない。バブルで終わらないakane式ダンス論。

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「部活ダンス」を牽引する登美丘高校

ダンス環境の変化はこのコラムでもたびたび書いてきましたが、部活ダンスの一般化はここ数年で急速に進み、「青春」を体現するコンテンツ力は世間にも認知されるようになりました。そのクオリティアップに各種コンテストが果たした役割は大きく、先頭を突っ走ってきた登美丘高校ダンス部の核心に迫ります。

—現役時代からコンテストには参加していたんですか?

akane:私が高校一年生の時にダンススタジアム(日本高校ダンス部選手権)が出来て、その頃は大阪だけだったかもしれないです。同級生たちからも「出たらいいじゃん!」と言われつつ「誰と?」という感じだったのですが、三年生の時にメンバーも揃ったので出場しました。その時はまだ全国大会ではなく、西日本という形。コンテンポラリーの全国大会はずっとありましたが、ストリートダンスの全国大会が出来たのは自分が卒業した次の年からですね。

—今は登美丘高校の部員は何人ぐらいいるんですか?

akane:三学年で120人ぐらいですね。

—他の高校でもダンス部がかなり人数が増えているというのは聞くので、すっかり人気部活として定着している感があります。ちなみに、これだけ大会の成績がいいと登美丘高校でダンスをやりたくて受験するというケースも増えているのでは?

akane:受験の時から、目指している人は多いみたいです。うちのダンス部が厳しいのが分かっているのにすごいな、とは思います。入ってくる子たちは、初心者の子が多いですね。

—レギュラーや補欠という概念はあるんですか?

akane:あります。40人がレギュラーで2人補欠ですね。私が何か月もかけてオーディションをして選びます。三年生だから選ばれやすいとかいうこともなく、純粋にダンスで。

—え、じゃあ残りの80人は大会の振りも踊らないんですか?

akane:落ちたのが決まってしまったら、踊らないですね。別の部活の自主公演の練習をしたりですね。

—正直、これだけ結果が出て、学校も人気が出ると、他の学校から教えてほしいとか、作品を作ってほしいという依頼もあるんじゃないでしょうか?

akane:たくさんあります。でも、母校じゃないとやらないですね。膨大な時間と労力をかけてやっているので、母校じゃないととてもできないです。今も大会前ということもありますけど、他の仕事を断って、毎日練習してますから。

—バブリーダンスが有名ですが、あれは大会を二連覇して、三連覇がかかっていた時の作品でした。二位でしたが、結果的に一番有名な作品になりました。

akane:結果は残念でしたが、作品としては本当に自信があったんです。だから、とても悔しくて、世の中の人に見てもらいたいと思って、映像化してYouTubeにアップしたんです。あんなに、話題になるとは思わなかったですけど。去年は、三連覇しなきゃ、勝たなきゃ!という意識があったのですが、今回はそういうプレッシャーはないですし、前回悔しい思いをしたメンバーががんばっているので、今年はいい形でここまで練習してこれていると思います。

次ページ 「ダンスの「プロ」への目覚め。」へ続く