【今回のポイント】
〇ブランドが主役から生活者が主役の世界に移り行く今、ブランドはどうすれば生活者を支える役割になれるのか。
〇共感を生み出すのは「体験」と「リアリティ」。将来のファン層との接点はデジタルのみでは作れない。
消費者の生活導線にどうやって入り込み、彼らの悩みにブランドが寄り添えるか
言わずもがなですが、現在はモノと情報に溢れています。我々も毎年ブランド調査などは定期的に行っていますが、業界や製品をまたいだ全てのパラメーターにおいて認知などの数値が低くなってきている感覚があります。人々にとってブランドの価値が全体的に希薄化してきているのかもしれません。
モノが少なかった時代には、提供するプロダクトが顧客の問題解決になっていて、テレビを通じて作ったブランドイメージが画一的に醸成されてきたわけですが、モノのあふれた現在では同じロジックは通じません。さらに、競合する相手も同業界の製品だけではありません。例えばスマホを見る時間はそこに意識が集中しているわけで、食べる・飲むといったコトに費やす時間すらも奪っているのが実態です。
プロダクトブランドが情報を画一的に発信していた時代が終わった今、主役の座はより「生活者」に移りつつあります。ブランドの役割はその生活者に寄り添い、彼らの生活を豊かにできる「サービス」「体験」をどう提供していけるかに変わっていくと考えています。
ひとつの例ですが、今年5月には日本交通と共同で、車内で美容ケアをしながら帰宅できる「眠れる森の美女タクシー」という企画を期間限定で実施しました。これはこの1~2年で急増した女性の就業率を背景に、日々を忙しく過ごす女性をポリフェノールが豊富に含まれるコーヒーや美容ケアサービスを提供することで応援したい、という想いから生まれた企画です。
とはいえ、忙しい女性が改めて我々の製品に目を向けてくれるのは簡単ではありません。彼女らの生活導線を考えたうえで、ちょっと頑張った自分にご褒美をあげたいというインサイトを「就業帰りのタクシー」という生活導線を通じて提供するサービスをデザインしたことにこの企画のポイントがあります。おかげさまで企画公開と同時に満席となる予約を頂き、多くのメディアにも取り上げていただくことで我々の製品自体も大きく取り上げていただくことができました。
キャンプ場で食事のあと夜空を見ながら飲むコーヒーのように、思い出に残るタイミングで飲む1杯のコーヒーは忘れられないもので、これが体験者の「共感」を生み出してくれます。ではその「共感」はどうやって生み出していくのでしょうか。
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