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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

コピーを学んで、はや半年 「実感を伴ってメッセージを届けるって難しい…」

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【前回のコラム】「ヲタクのみんなと撮り続けた「チェキ」が、卒業制作の課題に!」はこちら

業種別に、実戦的な課題が出される

すっかり秋めいてきましたね。第57回「宣伝会議賞」の課題も発表され、いよいよコピーの秋! 皆さまいかがお過ごしでしょうか。古き良き時代からきました、まじめなアイドル、まじめにアイドルー! ソロアイドルの、ゆっふぃーこと寺嶋由芙です。半年にわたって通い続けてきたコピーライター養成講座をまもなく卒業します。

そんな中、嬉しいご報告があります! なんと! 以前この連載でもお伝えした「よなよなエールのキャッチコピーを書こう!」という企画に提出した私の作品が、まさかの銀賞をいただき、『ブレーン』2019年10月号に掲載されております! やったー! あまりの嬉しさに、コピー熱がますます高まっております。

銀賞をいただいた「ハタチ初日、おつかれさまでした。」という作品が、『ブレーン』2019年10月号に掲載。

さて、今年の9月には、「業種別クリエイティブ少人数クラス」が3度開催されました。コピーライター養成講座の受講生が3クラスに分けられるため少人数で講義を受けることができ、提出する作品に対しても、より丁寧に講評をいただくことができます。

しかも、「業種別」と謳っているだけあって、扱う課題には医薬品や化粧品といった表示に関する法的な制約が厳しい特殊な業種も含まれます。薬事法に抵触せずに商品の良さを伝えるにはどうしたらよいのかなど、一般的な商品に比べて気をつけなければならない要素が多いのです。

私が受講した9月9日の講義では、資生堂の石川北斗氏から「化粧品を男性に売るためのコピー」という課題が出されました。ターゲットとなる男性を設定し、スキンケア、コスメなど任意に想定した化粧品を買ってもらうためのコピーを書く、という課題でした。

私が書いたコピーは3本。まずは、20〜30代の恋人のいる男性に、保湿力の高い化粧水を販売する、という設定で、「ラブラブとモチモチは、比例するっぽい。」というコピーを書きました。スキンケアにより肌がモチモチになると、その分、恋人とのスキンシップが増えるよ、というメッセージを込めています。

こちらのコピーは、「事実かどうか信じられるか信じられないか微妙なライン。僕は信じたいです。」というコメントをいただきました。ただし、実際に化粧品の商品コピーとして使われる場合は本当に「比例」するのか、実証しなくてはならないとのことで、「なるほど、響きだけで無責任に言葉を使ってはいけないのだな」と反省しました。

もうひとつは、30代の働く男性に、さっぱりとした使用感の化粧水を薦めるコピーです。「清潔感が、いい仕事してくれてる。」。こちらのコピーについては、「『いい仕事してくれてる』という言い回しがターゲットに似合っている」という、お褒めの言葉をいただくことができました。

そしてもうひとつは、20代〜30代で「男が日焼け止めなんて恥ずかしい」と思っている男性に、日焼け止め化粧品を使ってもらうためのコピー。「日焼けはヤケド。とはいえ、日傘はチョット…。」です。

こちらに関しては、「日焼けはヤケド。」というインパクトのある(だけどあまり知られていない)事実をコピーにできた点を評価いただきましたが、「日傘を使うという選択肢を思いつく男性は、すでに日焼け止めを使っているのでは?」と、設定したターゲットとの微妙なズレを指摘され、たしかに詰めが甘かったと反省…。

3本とも「かわいらしい言い回しである」など、概ね褒めていただいたのですが、残念ながら金の鉛筆をいただくには至りませんでした。

たくさんの人に届けるために、まず具体的な誰かを考える

実際に講評いただき、さらには他の受講者の方のコピーと比較してみると、私のコピーはまだまだ机上の空論感が拭えないというか、サラリとしてしまって、実感が伴っていないように感じます。実は普段SNSに綴る文章に関しても、そういった悩みがあり…。大多数の方になんとなく合格点をもらえそうなのだけれど、誰かひとりにでも100点超えでガツンと刺さるか、と言われると自信がありません。

もっと実感を持って消費者に届くように書きたい。金の鉛筆をもらったコピーにあって、私にないものはきっと、「ターゲット設定の緻密さ」です。今回の課題で優秀作品に選ばれた皆さんは、コピーを書くに至る前段階であるターゲット設定が、もっとずっと緻密だったのです。ターゲットの年齢はもちろん、仕事での役職や家族構成、本人の性格や悩みまで設定されてる方もいらっしゃいました。

もちろん、実際にクライアントとの仕事としてコピーを書く場合、コピーライターがそこまで踏み込んでターゲット設定をすることはなかなかできません。けれど、「この言葉を誰に届けたいのか」を具体的に想像する力こそが、言葉の強度を上げていくことにつながるのだと実感し、私ももっと具体的な誰かを想定して書くことが必要なのかなと思っています。たくさんの方に届けたいからといって、たくさんの誰かを想定することは、近道ではないのかもしれません。

「たった一人を納得させられないで 世界中 口説けるの」

これは私の大好きなモーニング娘。’19さんの楽曲「What is LOVE?」の歌詞ですが、まさにこういうことなのかもしれないなと思いつつ。この体験記は、実感を伴って届けられているでしょうか。

9/18に新曲「恋の大三角関係」をリリースし、そのリリースイベントで全国各地にお邪魔させていただいております。「ゆるキャラグランプリ」をはじめ、大好きなゆるキャラたちのイベントが多数開催されるのもこれからの季節の楽しみです。

もしこの体験記が実感を伴ってあなたに届いていたら、これらの会場に会いにきてくださって、そして感想などいただけたら、大変に嬉しく思います。講座の修了式まで残すところあと半月ほどです、最後までどうぞよろしくお願いいたします。

寺嶋由芙

「古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル。」
千葉県出身。早稲田大学文学部日本語日本文学コース専攻を卒業。中学・高校の国語の教員免許を取得。初代アイドルクイズ王。イベントMCやナレーター、アイドル情報サイト『Pop’n’Roll』の編集長、串カツ田中公式応援アイドル、そして地元千葉県木更津警察の一日署長なども務める。
大好きな「アイドル」そして「ゆるキャラ」を繋ぐ「ゆるドル」として活躍中。「ゆるキャラ®グランプリ」をはじめ、各種キャラクターイベントにMC、そして”ゆるキャラ通訳”として出演し、ゆるキャラ界で絶大な人気を誇る。
ソロ活動5周年を迎え、11thシングル『恋の大三角関係』を9/18にリリース!

寺嶋由芙公式サイト:http://yufuterashima.com/
寺嶋由芙公式Twitterアカウント:https://twitter.com/yufu_0708