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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

ヲタクのみんなと撮り続けた「チェキ」が、卒業制作の課題に!

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【前回のコラム】「「義務教育になったらいいのに…」 コピーを学ぶアイドルのつぶやき」はこちら

オリエンで求められるのは質問力

CDの購入者特典などで撮影した、サイン入りチェキ。

猛暑が続き、もうしょうもないですね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。今のダジャレで、多少は涼しくなりましたか?

古き良き時代から来ました、まじめなアイドル、まじめにアイドルー!ソロアイドルの、ゆっふぃーこと寺嶋由芙です。コピーライター養成講座、引き続き通っております。

8月5日には、いよいよ卒業制作のオリエンテーションが開催されました。コピーライター養成講座の卒業制作では、優秀作品に選ばれると、実際に企業さまのキャンペーンに採用していただけるのです!

企業さまからのオリエンテーションの前に行われた講義では、博報堂の安谷滋元さんに、オリエンテーションでの質問について、コツを伝授していただきました。オリエンという限られた時間の中で商品に対する理解を深めるために、コピーライターには的確な質問をする力が求められるのです。

今回、ご協力くださる富士フイルムさまよりいただいた課題は…、なんと「instax “チェキ”」のキャッチコピー!!ご存知の方も多いと思いますが、チェキとは撮ったその場ですぐに写真をプリントして楽しめるインスタントカメラ。私が日々、ヲタクのみんなと撮り続けている、あのチェキです!CDの購入特典としての2ショットチェキ、グッズとして販売するサイン入りピンショットチェキなど…、これまでの人生で何千枚、いや何万枚もの撮影に使ってきた、あのチェキです!

しかし、今回の課題は女性をターゲットに、それぞれの年代別にチェキ本体を買ってもらうためのキャッチコピーを考えること。アイドル現場で使われるチェキしか知らない私にとっては、逆になかなか想像しづらいシチュエーションでした。スマホで手軽に写真が撮れるはずの世代が、あえてチェキを使うのはなぜなのか、考えなくてはいけません。

そこでオリエンの場では、こんな質問をさせていただきました。「アイドル現場では、撮り直しがきかないために“世界で1枚の写真であること”をチェキの魅力と感じている方が多いように思いますが、一般のユーザーの方はそうした魅力をどのくらい重視してらっしゃるのでしょうか。新機種には、デジカメのように気に入った写真だけ選んで印刷できる機能があるようですが、撮り直しがきかないという点はあえて推すべきではないのでしょうか」。

この質問に対し富士フイルムの担当者さまからは、「たしかに、撮り直しがきかないからこそ1枚1枚を大切に撮るようになるなど、新しい価値が生まれています。ただ、一方では無駄なく撮りたいという意見も多く寄せられるようになっています。様々なニーズに応えられるように、新機種を投入しながらチェキのラインナップを多様化させています」という回答をいただきました。

回答を受けて、「なるほど。ひとつの製品で全てをカバーする必要はないのか」と思い至りました。つまりは、ひとつのコピーで全てをカバーしようとせず、「これは」と思った強みを前面に打ち出した方がターゲットに響くのではないかと気がついたのです。

次ページ 「自分の新曲に、コピーを書きました!」へ続く