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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

2日に1回はテレビで見る人気者!秘訣は「自分の感情を言語化」する努力(ゲスト:山之内すず)

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自分の感情を言語化することで、バラエティーでも話せるようになった

中村:演技の練習も合間にやっているんですか?

山之内:そうですね。たまに時間があるときは、ワークショップにも通わせていただいたりもするんですけど、ありがたいことに『人狼ゲーム』でできた友だちとかがいたりして、台本を覚えるのを手伝ってもらったり、オーディションの時は同じ事務所の子に本読みをしてもらったり……。

澤本:へえーー。

山之内:練習できることはします。でもやっぱり作品を見るのが一番なのかなって結局思いました。

澤本:じゃあけっこう見ているってこと?

山之内:そうですね、2020年はドラマも映画も、例年よりは見た気がしますね。

澤本:それは家で見るんですか?

山之内:家で見ます。毎日仕事終わって、家に帰って、お風呂入って、ご飯つくって、ご飯を食べながらドラマを1話見るっていうのが、自分の中でルーティーンになっています。

澤本:今何を見ています?

山之内:今は『今際の国のアリス』(Netflix日本オリジナルドラマシリーズ)を見終わっちゃったんですよ。

澤本権八:早いねー。

山之内:2、3日で見終わっちゃって、どうしようってなって。韓国ドラマの『スタートアップ:夢の扉』(Netflix配信)っていうのを見ています。

澤本:『スタートアップ』!面白いよねー。

山之内:1話で号泣しすぎて、次の日の仕事にちょっと支障をきたすっていう(笑)。

澤本:(ヒロインの)ぺ・スジが大好きです、僕。なんであんなにあのドラマは面白いんですかね?

山之内:面白いですよねー。止まらないですね。

権八:ドラマ見る時は、勉強って言っていたけど、自分だったらこうするとか、そういうシミュレーションをしながら見ているの?

山之内:見ている時は、作品自体をただただ楽しんで見ているんですけど、見終わってから考えますね。見た作品の感想をテキストで打って、画像で残すっていうのをけっこう続けてますね。

権八:なるほど。

山之内:それが本当にバラエティーにも演技のお仕事にも全部活かされてきていて、それがすごく嬉しいですね。ただ自分を見つめなおすっていうのと、自分の感情を言語化するっていう練習をやっていたことが、結果的に全部に役に立っているなって気づいて。

権八:何でバラエティーでも役に立てるんだろう?それはどういう……。

山之内:やっぱりしゃべるお仕事じゃないですか。特にバラエティーって自分の言葉でお話をしなきゃいけない時に、「すずちゃんどう思う?」って聞かれた時、すぐに答えられなかったんですよ。「これどうだった?」といわれた時にも「楽しかった」「面白かった」みたいな言葉しか言えない人間で……。それじゃあ仕事としてダメだなって思った時に、言葉の表現っていうものを知らなきゃいけないし、自分が何を持っているかを自分が分からへんかったら、何も話せへんやんって思いました。

本を読んで語彙力は身につけて、作品を見た後にただ面白かった、楽しかっただけじゃなくて、自分の感情がどう動いただとか、自分とどう重なる部分があったかというのを全部まとめて、感情、思考を全部言葉にする。今バラエティーとかで、ふいに聞かれた時に応えられるようになったのは、こういう風に言語化してきたからかなっていう。

権八中村:素晴らしいですねー。

権八:おこがましいですけど、僕も実はそういうのを20歳前後の頃やっていましたよ。

中村:お!?

山之内:一緒だー!

権八:要するに、感情を記録するっていうか。僕らクリ塾出身じゃないですか。

澤本:はいはい。

権八:電通のクリエーティブ塾っていうね。その塾の先生に「感情が流れた瞬間を大事にしてください」みたいなことを言われたんですよ。それがすごい印象に残っていて。感情が流れた瞬間を一生懸命書いていたんですよね。結局演じる側もそうだけど、僕ら、ものをつくる側も、見た人の感情がどう動いてほしいか、みたいなことの積み重ねだったりするから、勝手に今シンパシーを感じました。

山之内:あはは、嬉しいー。

権八:見るのがトレーニングになるんだな、やっぱり。

中村:澤本さんは若かりし頃、広告的なトレーニングしていたんですか?

澤本:広告的なトレーニング?いやなんか、とにかく見るのは見たけどね、暇だったから。見るって結局、自分の中にアーカイブをつくっている作業じゃない。

中村:はい。

澤本:そのアーカイブを自分の中から何かしらほじくり出しているうちに、なんかできるって感じだと思うから。面白いのでもつまらないのでも、見ておいたほうがいいと思うけどね。あとつまらないと思っていても、見てみると面白いものっていっぱいあってさ、僕はずっと寅さん(松竹映画『男はつらいよ』)って見ていなかったのよ。

権八:はいはい。

澤本:大学に入ってから授業で監督の山田洋次さんが学校に教えに来て。寅さんを全部見てみたら、むちゃむちゃ面白くてさ。そこから山田さんの作品を全部ビデオで見てみたけど、脚本がよくできているんだよねー。

中村:寅さんは、基本的には全部同じ。寅さんがある事件に巻き込まれて、ヒロインに恋をしたりして。ざっくり言うとイベントが終わり、また振られて旅に出るみたいな。

澤本:まあ、そうね。日本の民話の原形ってそうなんだって。ある集団があって、その集団でなんかもめ事がある。ちょっと問題が起こっているところに風来坊的な異分子がやってきて、その異分子が入って来たことで、その中で異分子がそこで仲良くなっちゃうんだけど、そうすると異分子はこの村が落ち着いちゃったら自分も余計だってことに気がついて出ていくっていう話。

山之内:へえーー。

中村:めちゃくちゃ面白いですけどね、今の話。

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