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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

谷山クラスで学ぶ『矢印』

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平野慎也(アッシュ・ブーム コピーライター/宣伝会議コピーライター養成講座2008年春・上級コース、2011年春 石川・岡本クラス、2012年春 谷山・井村・吉岡・照井クラス修了)

新人コラムも後半に入りました、平野慎也です。

さて、前回のコラムで新人として働きはじめたものの、
自分が思う以上に、コピーをビジネスとして見られていなかったと痛感。

「コピーは芸術じゃない!」「お前の自己表現の場じゃない!」
耳たこレベルで聞いてきたはずなのに、いざコピーを書くと
どこかで見たようなコピーか、大喜利まがいのレトリック。
書く技術よりも、まずビジネスの視点から学びました。

仕事から学びたい(でも仕事がない)。

ランチパック

宣伝会議賞に応募して広告になった
ランチパックのコピー

カタログ、パンフレット、DMなど
販促媒体を主に携わりました。
教えを守り、制作の進め方などを盗みながら実務で学べば、
きっといい広告マンになれるかも!
……なんて思っていた頃、いきなり暇がやってきます。

震災、円高、広告不況、様々な変化の影響でしょうか。
それにしたって暇すぎる。暇でいいねっていう感じではなく
生活や将来に不安を抱く社内ニートそのもの。
会社に仕事がきてもデザイナーだけで完結するものばかり。
じゃあ俺、いらないじゃん。というのが、素直な想いでした。

そんな2年目のスタートです。
時間はあることだし、講座修了生からのススメもあって、
最も体系的に、シビアな環境でコピーを学べると評判の
「谷山・井村・吉岡・照井クラス」を受講しようと決めました。

35人それぞれが目指した矢印。

谷山さんは講義の中で、コピーをこう定義しました。

コピーとは、「短い文章」ではない。ある意見や、ある方向性や、
あるミッションを、端的に表現する矢印(ベクトル)である。

マトリョーシカ

手作りマトリョーシカをプレゼント!そっくり!

そっか、グッとくる文章である必要なんてないんだ!
この教室は、コピーの書き方を教わるんじゃなくて、
広告の考え方、矢印の向け方を学ぶ場所なんだと感じました。

『広告コピーってこう書くんだ!読本』に書かれている
「(1)散らかす→(2)選ぶ→(3)磨く」
の順序でコピーを書ける場と捉え、
まずはひたむきに「散らかす」んだと決めて臨みました。

自分のコピーが正しいという考えは、なるべく捨てよう。
照井さんの示す「広告の中で役に立つ言葉」という意識を持とう。
谷山さんが若い頃、1分1本のペースで書いたと聞けば
自分でもタイマーを使って挑戦してみよう。
新人らしく、まっさらな気持ちで取り組んだつもりです。

受講すると、この本が谷山さんの声で
脳内再生されます

専門コースなのに、なんだか
基礎的だと思う人もいるかもしれません。
でもこのクラスは、広告の現場と、
自分の課題を感じる人にこそ
大きな意義があって、
理解が進みやすいんだと思います。

結果的に全12回のドリル得点王と
吉岡虎太郎賞をいただきましたが

平野くんはアベレージヒッターではあるけれど、
もっとびっくりするようなものも書けるように

という新たな課題もいただきました。

その言葉こそ、いまの僕を突き動かす矢印です。

来週は「それいけ、新人コピーライター!」をお送りします。

平野慎也(ひらのしんや)
アッシュ・ブーム コピーライター。1987年生まれ。静岡県浜松市出身。首都大学東京 都市教養学部経営学系を卒業後、2011年から現職。第47回宣伝会議賞 協賛企業賞、第26回・第28回読売広告大賞 協賛社賞を受賞。宣伝会議コピーライター養成講座 2008年春上級コース、2011年専門コース(石川・岡本クラス)、2012年専門コース(谷山・井村・吉岡・照井クラス)修了。


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