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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

テレビは見られているのかいないのか、よくわからなくなってきた件について

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TV局系VODサービス利用者数が1年で10倍

さて1月下旬に、ニールセン社がこんなリリースを出したのは知っていますか?
→「TV局系VODのスマホからの利用者数は500万人超、TVERは約250万人 」

“動画広告”に関するデータや調査はこれまであちこちに出ていましたが、“TV局系VOD”について調べたものは初めてではないでしょうか。中でも、このグラフは注目です。

※ニールセン社2016年1月26日付ニュースリリースより。ちなみにこの調査に関する取材記事はMediaBorderで掲載しています。

SVODに関するデータも右側にありますが、ここでは左側だけを見てください。スマートフォンに限定し、TV局系VODサービスの利用者数を2014年11月と2015年11月で比べています。TV局系VODサービスとは、有料のサービスも無料の見逃し配信も両方入っています。アプリを通した利用も含まれているそうです。でも日本テレビがやっているとは言え、huluはSVODのほうに含まれるので左のグラフには入っていません。

一年で47万人が532万人にすごい勢いで増えています。10倍ですよ、10倍。2014年11月の段階ではまだ、見逃し配信サービスを日本テレビとTBSしかやってなかった段階です。2015年11月には見逃し配信を残り3局も始めていたし、何と言ってもTVerもスタートしています。ニールセン社によればTVerだけで251万人だそうです(この調査結果の数字については、テレビ局でVODを運営している方から個人的な意見もうかがいましたが、ここではその議論は置いとかせてくださいね)。

とにかく、テレビ局が無料で番組を視聴できるサービスを揃って正規にやったら利用者がものすごく増えたわけです。それは間違いないでしょう。

そしてこれは、テレビ局が正規に始めたからいきなりみんながネットでテレビ番組を観はじめたというより、さっきの若者のようにこれまで違法アップロードを観ていた人たちが移行した、とおおよそ見ていいのでしょう。見逃し無料にはいろんな意味で、効果があったと言えそうですね。

こうなると、テレビは見られている。若者について言うと、テレビはテレビで見られていなくても、ネットでは見られている、というややこしい状況なのです。

テレビ局が自ら、番組をネットで配信し始めた。けっこう見られる状況になった。ではそれは、どういう意味があるのか。どんな価値があるのか。広告費で稼ぎたいテレビ局としては、そこでも広告費を稼げるのか。稼ぐためには何をどう考えればいいのか。

その答えが見えてきそうなイベントがつい先日、2月15日に開催されました。「JAAA動画広告フォーラム」という、日本広告業協会主催のセミナー。これが非常に充実した内容で、“動画広告セミナー”と称する催しの中でも断然よかった、と無理やり入れてもらったので言わなきゃいけないおべっかを差し引いても思いました。

詳しくはまたちゃんとした記事が別で読めるでしょうから、このコラムの流れ上、強調したい部分だけを書きますね。

次ページ 「テレビ局の動画配信が持つ大きな可能性」へ続く