コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

「コピーライター」より「龍馬」

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小林麻衣子(POOL inc.コピーライター/2002年秋・基礎コース、2006年春・専門コース修了)

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坂本龍馬が好きです。現代人がつくりあげたフィクションの人物像だとしても、そんなことはどうでもいい。小説や漫画に描かれている、型破りな発想をする龍馬が大好きです。(近年だと、TVドラマ「JIN」の龍馬がかっこよすぎて何度も夢に出てきました)

男としての魅力もさることながら、龍馬のいちばんの魅力は「クリエイティブ」の能力だと思います。もし龍馬が現代の広告業界にいたら、コピーライターとしても企画者としても、相当すごい人のはずです。ライバルとかあまり考えない私ですが、あえてライバルは? と聞かれたら、コピーライターより坂本龍馬の名前をあげます。

まず龍馬は、言葉のセンスが並外れていたのだと思います。当時の人々には理解し難い内容をうまく伝え、人と人をつなぎ、藩のトップさえ動かす。競合プレゼンに龍馬がいたら、負ける気がしません。

そして、企画力も半端ありません。たとえば有名な「薩長同盟」も「大政奉還」も、「普通だったらそんなの無理!」という既成概念を捨てて、「こうやったら世の中が動くじゃん!」という発想で生まれた、すごくアグレッシブな企画です。しかも、手強いクライアントに通して実現してしまった。すごい人です。

でも、いちばんすごいと思う龍馬の能力は、「もっとこうしたらみんながハッピーになれるのに!」という視点だと思います。

最後のコラムなので大袈裟なことを言いますが、コピーライターや、いわゆる「クリエイティブ」を仕事にしている人のスキルは、本業の広告だけではなく、世の中を良くしたり、変えたりするための力にもなり得ます。地味だけど大切な活動を、華やかにお披露目したり。埋もれている地域の価値を、掘り起こしたり。老人ホームの概念を、くるっと変えてみたり。

私たちの仕事で使う思考回路って、いろんなところに使えます。「もっとこうしたらみんながハッピーになれるのに!」というアイデアを考えて、自分で実現することだってできます。新しい時代を切りひらく「現代の龍馬」は、政治とか経済の世界ではなく、私たちの世界にいる気がしてなりません。
(その「龍馬臭」を感じて、私はこの世界に転職したのかもしれないなあ…)

不規則で忙しく、30代・女のカラダにはハードな仕事ですが、どうやらやめられそうにありません。最後に、同じようにハードに働く人への応援の気持ちでつくったCMをご紹介して、締めたいと思います。
それでは、8月のコラムおつきあいいただき、どうもありがとうございました。

「三幸興業」テレビCM

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小林麻衣子さんのコラムは今回で終了です。次回(9月3日)からは林潤一郎さん(オレンジ・アンド・パートナーズ)のコラムを掲載します。

小林麻衣子(こばやしまいこ)
POOL inc.コピーライター。上智大学文学部卒業後、美容関連のライターを経て、2007年POOL入社。最近の主な仕事に、「ハウスメイト」「ソラシドエア」「キングソフト」「サントリー『ESPRESSODA』」の広告キャンペーン、イベント「東京満月ヨガの会」企画プロデュースなど。
宣伝会議コピーライター養成講座2002年秋・基礎コース、2006年春・専門コース修了。


【バックナンバー】
「コピーライター」より「龍馬」(8/27)
「巧い」より「直球」(8/20)
「女子力」より「おっさん力」(8/6)

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