【前回のコラム】「Pd名引 佑季の『生意気言ってすいません(3)』」はこちら
言葉を軸に、課題解決へのストーリーを描く。
「お世話になっております。パラドックス・クリエイティブのナビキと申します。○○さんはいらっしゃいますか?」
「すいません、もう一度お名前をお願いします」
「ナビキです」
「ナリキさんですか?」
「ナビキです」
「ナミキさん?」
「バビブベボの“ビ”です!」
「ヒビキさん?」
「ナビキです!」
「フナビキさん?」
「ちが……そうです」
——どーも、名を引き継ぐ者と書いて“名引”です。
さて最後のコラムになりました。
はたしてコピーライター志望の方のお役に立てているのでしょうか。
我ながら疑問です……すいません。
ってか、僕は「ディレクター兼コピーライター」とは言っているものの、
あんまり何屋さんか意識はしていません。
僕が所属するパラドックス・クリエイティブでは
肩書きなんてあってないようなもの、と言ったら言い過ぎかもしれないけれど、
あんまり枠にとらわれない仕事のスタイル。
企画を立てたり、顧客折衝をしたり、コピーやデザインを依頼したり、
取材したり、自分でコピーを書いたり、見積もりをつくったり、
予算管理をしたり、イラレで簡単なデザインをしたり、
営業みたいなことをしたり、備品の管理をしたり、業者さんの対応をしたり、
アルバイトの教育・管理をしたり、大学生を集めてワークショップをしたり……。
そう言えば、あるとき東京メンバーからの依頼で
フォトグラファーとしてお客様のところに行ったこともあります。
マイ一眼レフ片手にノリノリで撮影しましたが、内心ドキドキの汗ダクダクでした。
そんな何でもアリなところがパラドックスの良いところかなと思います。
そもそも、コピーライターの定義ってなんでしょう?
正直、決まったモノはないと思う。いろんなあり方があるんだろうと。
たぶん、現職で働いているひとたちのなかでも定義はバラバラだと思います。
僕は「言葉を軸に、企業の課題解決のストーリーを描く人」かなと。
言葉の表現者というよりも、コミュニケーションの設計者というイメージ。
企業理念やコンセプトコピー、スローガンなど、
企業の方針を指し示したり、企画の軸になったりする言葉のほうが
お客さんに求められていて、価値があるのだと……僕は思います。
さて、僕のコラムは今回で終了です。
4回にわたって、浅はかな仕事観やバカな日常、妹のこと、受賞歴自慢などを晒してきました。正直、僕がコラムを書くなんておこがましい。それに恥ずかしいし、メンドくさい! でも、せっかく宣伝会議さんのご厚意で機会をいただいたのだから、せっかく自分の名前を出してモノを書かせていただくのだからと、少しでも多くのひとに楽しんでもらい、役立ててもらえるように、自分なりに考えて書いてきたつもりです。第1回目にあったように“本音で、本心で、本質的に”を意識して。その上で、自分やパラドックスへのプラスになればと。
色々と葛藤がありました。「何を言っても生意気なヤツに思われるよなぁ、ましてや広告業界の末端人が。大手代理店所属でも、第一線で活躍するクリエイターでもあるまいし。実力も経験も知れてるし。言っていることも、まだまだ浅はか……でも、言いたいことを言わないと。いいんじゃね、生意気で。そんなヤツが増えないと、この業界って盛り上がんないんじゃない?」なんて感じで無理やりポジティブに考えて書き切りました。
コラムを書きながら、自分の日々の仕事や半生を振り返り、僕自身、考えが整理され、得るものもたくさんありました。貴重な機会をくださった水元さんをはじめ宣伝会議の方々、コラムへの掲載許可をくださったユーエム工業さま、その他ご協力くださった方々、あとは最後まで拙い文章を読んでくださった皆さま、どうもありがとうございました!
これからもこの業界で生意気言って生きていきます、すいませんっ!
名引 佑季(ナビキ ユウキ)
株式会社パラドックス・クリエイティブ所属(ディレクター兼コピーライター)
1982年生まれ/大阪府出身/関西学院大学卒業/宣伝会議コピーライター養成講座(総合コース、専門コース中村禎クラス修了) 【受賞歴】2014日本BtoB広告賞(経済産業大臣賞)、FCC賞(新人賞)、CCN賞(GF部門・特別審査員賞)、第51回・第47回宣伝会議賞(協賛企業賞)、映画ノルウェイの森 コトバの森キャンペーン(大賞)、第7回ピンクリボンデザイン大賞(優秀賞)など
『コピーライター養成講座』
一流を育てる実践型カリキュラム
多彩な修了生を輩出している本講座。広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。
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