ブルックリンと中央線
グローバルマーケティングの作法
田端:インターンの「よさそう」という評判は、どこで決まるんでしょう。
高城:一つはトイレです。皆トイレで色々な部署の人と会って、今どんなプロジェクトをしているのか話すから。もう一つは給湯室。MITの調査で、トイレと給湯室を活性化したら、仕事の効率が上がり売り上げにも結びついたというのがあるくらいです。
田端:トイレと給湯室ですか。「あの子よさそう」の先にチャンスをつかめるかどうかは?
高城:運じゃない(笑)。あと、趣味が「バスケットボール」のやつはだめだとか。
田端:え!?そうなんですか?
高城:アメリカではそう言いますよ。フェイスブックに趣味がバスケと書いている人はまず共和党だと思われるから。イギリスでも、例えば日本の家電メーカーが進出するとします。DSPを逆解析して西ロンドンでは売れないと分かったら、東ロンドンから攻める。ここで売れれば当然ケンブリッジでも売れる、そうするとスコットランドでも売れる。となると、この地域のクリエイターを雇って一緒にマインドセットをつくっていって…という話になる。
田端:なるほど。そういう常識、空気みたいなものは住まないと分からないですね。
高城:でも、それが分からなかったら売れないですよ。この間クアラルンプールのクリエイターとの打ち合わせがあって。この案件はマーケティングコストが少ないからマンハッタンには広告を出せない、ブルックリンから始めよう。じゃ日本は?という話になった時に「中央線はリベラルな割に広告費が安い。中央線から始めるべきだ」って彼らが言ったんですよ。クアラルンプールのクリエイターがそこまで言うんですよ。
田端:ええ!?その人、日本に住んでたんでしょう?
高城:住んでないよ。データで出てきますから、分かるんです。だって、そういうことが分からないと広告以前にものも作れないじゃない。それがグローバルマーケティングだから。
田端:高城さんから見て、日本が競争優位になれるのはどんな分野ですか?
高城:日本はお金はありますから、進むべき道は投資じゃないかな。既得権益を壊さないと新しいことはできないけど、日本は壊せないでしょう? だから新しいことをしているところに投資するのがいいと僕は思います。
「電通デザイントーク中継シリーズ」バックナンバー
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・後編】(2017/12/16)
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・前編】(2017/12/15)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは?【後編】(2017/12/12)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは? 【前編】(2017/12/11)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【後編】(2017/12/02)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【前編】(2017/12/01)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎【後編】(2017/10/28)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎 座談会【前編】(2017/10/27)
新着CM
-
クリエイティブ
若い人ほどACC年鑑を買うべき理由――2023ACC賞審査委員長が語る
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
広報
象印マホービン、“ごはんの魅力を発信する”特設サイトを新設
-
販売促進
ミラブル累計150万台突破、一家に一台から一人一台に、サイエンスHD
-
広報
継続できる運用体制の裏側 4年目を迎えたカルビーのnote
-
AD
広告ビジネス・メディア
XとDoubleVerifyが協働 安心安全とパフォーマンスを両立する広告環境へ
-
販売促進
3日で2500万本を突破した新生茶 差別化が難しい緑茶市場での戦略、キリンビバレ...
-
特集
「宣伝会議賞」特集
-
クリエイティブ
逆転の発想から生まれた資生堂「ファンデ美容液」、アンバサダー河合優実が語る一言と...