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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

クリエイターは1つの分野にこだわらなくてもいい!(ゲスト:馬場康夫さん)

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「映画や本」と「広告」では引き出しの開け方が違う

馬場:澤本さんと仕事をしていて感心することがあります。ぼくはベラしゃべりなので、いきなり自分の引き出しを全部開けて、「これ持ってる?」みたいに話しちゃう。でも、澤本さんはずっと黙って聞いているから、引き出しの数が全くわからない。でも、脚本を書いてくると、「あ、こんな引き出しあったんだー」と。だったら打ち合わせのときから開けて見せてよ!って(笑)。

中村:引き出しを隠している(笑)。

馬場:でも、あれが広告のコツなんですかね? 広告のときってあまり引き出しを開けたりしないですよね。映画や本、マンガなど、広告以外はわりと自分の引き出しを全部開けて、衣裳を自慢しあうみたいな感じですよ。でも、広告はそういうことをしないと思った。

澤本:やらないかもしれないですね。あまり馬場さんみたいにバーッと面白い話を立て続けにする人っていない気がします。でも、仕事と全く関係なく自慢しているのもありますよ・・・「マッチ箱のこういうもの持ってる?」とか(笑)。

馬場:世界で一番いいマッチね。伊丹十三さんがタクシーの運転手さんから聞いた話で「世界で一番いいマッチを知っていますか? 海運会社のマッチで船員が擦るときに火持ちも匂いもよくて、最高に上品で素晴らしいマッチがあるんですよ」という話が『女たちよ!』というエッセイの中で書かれているんですよ。

中村:気になりますねぇ、そのマッチ。

馬場:ある日、私の尊敬する馬場啓一さんという大学教授の方がそのマッチを送ってくださったんですよ。「キミ大好きだろう」と言って。これを自慢する相手は伊丹十三さんのことをとても尊敬しているプロデューサーの石原隆くんしかいないと思って、映画の打ち合わせに持って行って、目の前でシュッて擦って、匂いを嗅がせて、パッと消して、「ハイ、以上。世界最高のマッチでした」って(笑)。

澤本:ねっ、これが打ち合わせだよ? 映画の脚本打ち合わせなのに、そんなことばっかりやっているから時間がなくなって・・・。

一同:

澤本:あっ、このラジオももう時間が来てしまいました。最後に馬場さんから告知などがあれば。

馬場:TOKYO FMで土曜の夕方5時からは『ピートのふしぎなガレージ』、日曜の午後3時半からは『スカパー! 日曜シネマテーク』という番組を2本やっていますので、ぜひ聴いてみてください。あ、澤本さん、なんかやりましょうよ、一緒に!

澤本:この番組とそちらの上品な番組とで、一緒になって何かをやればもう少し聴く人が増えるかもしれませんね。

馬場:すぐに終わっちゃうとね・・・。

澤本:ぼくらとしてはこの3月末をどう乗り切るかね(笑)。はい、前回に続き今夜のゲストはホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫さんでした。ありがとうございました。

馬場:ありがとうございました!

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構成・文 廣田喜昭