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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

10代の悩みは、いつの時代も変わらない?「JK世代はわからない」は思考停止

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前回の連載で大きな反響があったのは私としては意外でした。「ラジオ」というメディアが今こそ「新しい」と、10代であればわりと当たり前な感覚を伝えたのですが、30代以上の方からはいろいろな意見が寄せられました。

特に電通の澤本嘉光さんからは「椎木さんさすがです。やっとラジオを新しいメディアだという若い子の理解者出てきました。僕だけ騒いでいると、頭古いおっさんの回顧でしかないので。頑張って下さい!」というありがたい言葉も頂きました。

今回は、具体的にラジオの内容にも触れつつ、思ったことを書いていこうと思います。

10代のお悩みは「恋愛」「進路」「人間関係」のどれか

画像提供:shutterstock

10代向けのラジオ番組「#椎木里佳パイセンの放課後ラジオ」が、静岡放送で1月7日からスタートしました。この番組では、現役中高生からのお悩み相談コーナーがあります。一体どんな質問が寄せられたか。

例えば「クラスの男子とジャニーズ、どっちも好きなんだけど、選べない」、「留学したいけど親はまず日本の大学に行けっていう。椎木さんはどうすればいいと思いますか」などなど……。

このお悩みを見て、何を思い、どう回答するかは人それぞれだと思います。ですが、私は若者のトレンドマーケティングを行う「AMF」の経営者として、何百人もの10代の「リアルな声」を聞いてきました。そこで気づいたことがあります。

それは、10代の悩みはいつの時代も変わらない、「恋愛」「進路」「人間関係」、この3つのどれかだということです。

おそらく、30代の方も50代の方も、10代を振り返ってみれば、いまの時代とあまり悩みは変わらなかったはず。
にもかかわらず、大人たちは「10代のことはわからないよ」と当たり前のように語ります。そのことに私はいつも違和感を覚えます。おそらく大人は、10代だった自分のことを忘れてしまっただけ。そして、知ろうとしていないだけなのではないのでしょうか。

例えば、今回のお悩み相談で登場した「ジャニーズ」というワード。これほど多くの年代に共通して認識されている言葉も珍しいですよね。
今のジャニーズには、「リア恋枠」という本気で恋する対象のメンバーがいるんです。例えばHey! Say! JUMPだったら山田涼介くんじゃなくて有岡大貴くんがリア恋枠。圧倒的な美男子より、少し身近な雰囲気を感じるメンバーを好きになる傾向にあるんです。

今回のお悩みはまさに「リア恋」の話ですね。
しかし、ジャニーズではSNSが禁止されているはずなのに、なぜ身近に感じさせることが出来るのか。

その問いも今の10代に聞けばちゃんと答えを持っている。
それが、「遭遇」という言葉。

ツイッターのアカウントの中には、ジャニーズ目撃情報をファンがまとめるアカウントが存在します。「○○君が○○にいました」のようなつぶやきがまとまっていて、それ目がけてファンが大移動をする。
雲の上の存在のジャニーズが渋谷や六本木の街中にいるという情報を、ファン自ら発信している。

ジャニーズを身近に感じられるようにファンが仕組みを作っているから、ジャニーズはSNSをやらなくても、今でも根強いファンがついているんです。この仕組みって何かのビジネスヒントにもつながりそうですよね。

次ページ 「10代は「大体3割」理解すればいい」へ続く