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コラム

これからのマーケティングはクロスカルチャーだ! ―日本人マーケターが世界で価値を伝えるには?

外資系広告代理店マンを経て、職なし、コネなし、カネなしのシドニーで起業

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人種のるつぼのオーストラリアで問われた「お前は何ものなのか?」

さまざまな綱渡りはありましたが、コネもなく会社も知られてない当時からここまでビジネスを続けられてきた理由を考えると、「人」としての信頼の積み重ね、といえるかと思います。

オーストラリアは国民の4人に1人が、シドニー市内においては40%以上が移民と言われる多民族国家で、世界中から異なるバックグラウンドを持つ人々が集まるいわば世界の縮図とも言える市場です。

キャリアステップも欧米型で、経験を積んで3-4年で会社を変えていくことが一般的なため、ともすればプロジェクトを進めるビジネスパートナーがその会社では働きはじめてまもない、新人だったりする場合があります。

そうするとビジネスを進めるにあたっては、企業としての信頼性と同時に、時としてそれ以上に、個人のスキルがお互いに試されることになります。ここでいうスキルとは、ビジネスにおける経験はもちろんのこと、人としての信頼性も含まれます。

文化、宗教観も違う中で、一緒にプロジェクトを進めていくに足る信頼性があるのか、また気持ちよく一緒に仕事ができる人なのか、要は「あなたは何ものなのか」ということを常に問われているわけです。

そしてそこでの信頼が勝ち取れれば、会社としての知名度がなくても、ビジネスを広げていくチャンスがあるわけです。先ほど話したメディア担当者も、今思えば私が個人の財を使ってもメディアバイイングをしたいという意思を買って信頼してくれたのかなと感じています。

こればかりは、メールやコミュニケーションツールが発達した中でも、直接対面して築き上げていく以上に良い方法は今のところないのですが、オンラインでミーティングをする中でも背景に自分の趣味の写真を取り上げたり、ミーティングの場でも仕事以外の話題も少し話すなど、ビジネススキルに加えて個人としての関係性を築き上げていく要素を取り入れていくと良いのではないでしょうか。

国民の4人に1人が移民で構成されるオーストラリア。シドニー市内にはアジア・中東系の人々も多い。

仕事と同じくらい情熱をかけているサッカーを35歳以上のローカルリーグでプレー。この一つのチームをとってもオーストラリア、スペイン、ドイツ、韓国、中国、日本の計6カ国出身者がいるのはオーストラリアでは普通。

さて、自己紹介はここまでにして、お伝えした通り、オーストラリアは多民族で構成された世界の縮図といえる市場です。

今は世界中で展開されているマクドナルドのマックカフェも、テスラのパワー・ウォール・バッテリーも、グローバルで本格展開をする前にはオーストラリアでテストマーケティングを実施していたという事実もあります。

次回からは日本と海外でのマーケティングプランニング、クリエイティブ開発、プロジェクトの進め方の違いなど、日本、アメリカ、オーストラリアで広告ビジネスをしてきた経験をもとにお伝えしていきたいと考えています。