Urgent Optimism は「多分成功するだろう」という楽観的な考えを持ちながら非常に難しい問題を解決することについて、情熱を持って行うことである。RPGでいえばダンジョンを探求しつくした後にボスキャラと対峙する時などではないかと考える。
Social Fabricは一緒にゲームをしたことがある人とは信頼関係が生まれ一緒に仕事をすると効率が上がるということである。これは多かれ少なかれ経験したのではないだろうか?
Blissful Productivityとは、ゲーム性があれば人間はリラックスし、より楽しく感じることである。人は仕事の徹夜は苦痛に感じるがゲームになると気がつくと徹夜していることが多いのではないだろうか。
そしてEpic Meaningとは目標が大きいほどそのことに対するモチベーションが高くなるということである。RPGなどの多くはお姫様を救出したり、地球の危機を救うものであるのも、ここで説明ができる。
筆者がゲームとそれを応用するマーケティングについて考えるときに、重要なのは消費者の受容性である。自分の経験からしてもゲームには熱中し、時がたつのを忘れ、仲間との連帯感や大きな達成感を味わうのである。仮にそれが比較的最近のことだとしたら何が要因であろう。一つにはやはり、ゲーム、より大きく言えばエンターテインメントの進化と普及と考える。
この記事の最初にも紹介したStorytellingとは正に「物語を伝える」ことであった。もちろん今でも行われている昔話の読み聞かせであるが、昔と比べたら少なくなったような気がする。
現在では小学生・中学生になるとゲーム機を手にする。その時には、ストーリーを「聞かされる」のではなく、自分で「体験する」のである。「桃太郎」が鬼退治をする話を聞かされるのと、自分が悪者をやっつける主人公となりゲームをするのは実は似て非なるものであり、ゲームを通じてユーザーはこれは今までには体験出来なかったことを経験することができる、と考える。そして、ゲーム体験を自然に受け入れる消費者が世界的に爆発していることが「ゲーミフィケーション」が今後普及していく大きな土台になるのではないかと考えている。
この記事の調査の中で、インフォバーンCEOの小林弘人氏がGQ Japan Onlineの記事の中で、コカ・コーラ パークの「すごい自販機アプリ」をゲーミフィケーションの事例として取り上げてくださっている事実を知った。知らぬ間に“ゲーミフィケーション”を自分自身で実践していたということは皆さんも良く考えてみれば、周囲にいくらでもあるだろう。一度身の回りのゲーム化されていることを考察してみるのも面白いかもしれない。
江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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