幅広い業種・業態の企業でデジタルマーケティングに取り組む責任者・担当者が登壇した講演はもちろん、そうした企業の取り組みをサポートするツールや技術を紹介する展示にも多くの人がつめかけ、会場全体が熱気に包まれました。ここでは編集部が特に注目した講演にスポットを当て、そのレポートをご紹介します。
登壇者:清水 智美(日本GE コーポレート・コミュニケーション本部 マネージャー)
トーマス・エジソンンを創始者とし、135年の歴史をもつゼネラル・エレクトリック(以下、GE)。現在は150カ国以上に事業拠点を持ち、売り上げの半分以上が米国外というグローバルカンパニーである。日本においても1866年に造幣局へ発電機を納入し、事業の歴史はすでに100年を越える。しかし、国内ではBtoB事業を中心としてきたため「世界のブランドランキング上位にありながら、日本での認知度が低いことは私達の課題」と日本GEコーポレート・コミュニケーション本部マネージャーの清水智美氏は話す。
同社では、企業や、そこで働く人々の想いを伝えるため、デジタルメディアを通したコミュニケーションに注力。その中心となる媒体は、公式ウェブサイトとYouTube、2012年9月に開設したFacebookである。特にFacebookは、それぞれの媒体で行うストーリーテリングを拡散するためのシェアリングエンジンと位置づけ重要視している。
ただ、清水氏は「Facebook単体での認知度向上は難しい」と認識し、既存ステークホルダーとの関係強化に重点を置き、その第一ターゲットには同社のことを知るビジネスマンや、各分野の有識者、メディアなどを想定する。そうした対象がオフタイムにFacebookを見る際に共感する情報とはどういうものかを考えコンテンツを開発し、12%から20%のエンゲージメントレートを維持している。こうした取り組みの効果について清水氏は「必ずしも『いいね! 』やエンゲージメントレートだけでは計れない」とし、ターゲットがどれだけGEに対する意識を変えたか、ファンとなってもらえたかを重視していると話した。
清水氏は、モバイル化するデジタルテクノロジーによって、コミュニケーションの未来は人と人との関係性が大事になると予測。ビバキ社のリシャッド・トバコワラ氏の「世の中にソーシャルネットワークというものは存在しない。あるのはピープルズネットワークなのです」という言葉を紹介し、成功の鍵はターゲットに誠実に語りかけるコンテンツとストーリーであるとして、講演を締めた。
「これからのマーケティングに求められること」
をテーマに、コメントをいただきました。
「人」の本質の理解
清水 智美(日本GE)
「GE」関連記事はこちら
「宣伝会議 インターネットフォーラム 2013」バックナンバー
- 構想1カ月、鳴らしたくなる“除夜の鐘”――パナソニック エコソリューションズ社(2013/7/23)
- 100万人の口コミづくりと集客への挑戦――ユー・エス・ジェイ(2013/7/19)
- “桃太郎市”の炎上で体感したWebの可能性――岡山市(2013/7/18)
- “バカバカしいこと”を真面目に考える――はなまる(2013/7/12)
- 3ジェネレーション別の戦略でLTV向上を目指す――ファミリーマート(2013/7/12)
- 累計販売数が150万枚を突破した「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」プロモーション――オークローンマーケティング(2013/7/11)
- O2O販促で先行するTSUTAYAの取り組み――カルチュア・コンビニエンス・クラブ(2013/7/11)
新着CM
-
マーケティング
ピノ史上初のゲーセンが渋谷に期間限定オープン 狙うは若年層の取り込みとリピーター...
-
AD
Amazon Ads
オン・オフ問わず広がるAmazon Ads
-
コラム
わかさ生活 広報部 X(旧Twitter)中の人の新コラムがスタート
-
クリエイティブ
赤楚衛二が宇宙船の船長に 20周年を迎えたアルフォートのCMのこだわり
-
販売促進
第38回「全日本DM大賞」作品募集 締切は10月31日
-
AD
広報
ELNET、サードプレイス・コミュニティで 広報活動をアップデート
-
AD
特集
「広告」の役割が変化する時代 クリエイティブビジネスと経営マネジメント
-
広報
歌舞伎をテーマにした日清食品ホールディングスのアニュアルレポートが最高賞を受賞
-
クリエイティブ
貢献度の可視化で「デカボ」な行動促す、生活者視点のサービスデザイン