コラム

健康・医療・美容でビジネスをするためのコラム

大麦のヒットに学ぶエビデンス・マーケティング、「食品機能性表示制度」対策はこれだ!

share

女性を中心に支持されたベジタブルファースト

ナチュラルローソンが、ベジタブルファーストキャンペーンを開始したのは2013年4月。野菜量が60g以上の サラダ、スープなどを開発し、クーポン(写真参照。クーポンは2015年1月実施分※現在は終了)を特設コーナーで配布。これまでに、2013年4月、9月、2014年1月、3月、9月、2015年1月に各2週間ずつ実施しているが、クーポンの回収率は、10.4 %→22.0%→18.3%→23.7%→27.5%→33.4%と上昇。回収率が3〜4%のキャンペーンもある中で、かなりの高回収率になっている。また、同キャンペーン実施開始から約2年間にわたり、サラダカテゴリーの売上も大幅な伸長を続けているという。

ローソングループの中でも、女性にターゲットを絞り、健康美容をキーワードに据えるという店舗特性も寄与していると考えられるが、この食事法への関心や定着度の高さがわかる。一方、日経ヘルスは、折々で同チェーンの企画と連動した記事を掲載したり、ベジタルブルファーストや呼び方を替えた「食べ順ダイエット」を特集したりして、この方法の効果をエビデンスとともに紹介してきたが、「興味のある体重管理法」をたずねた2013 年の読者調査で、食べ順ダイエットは45.1%の得票率を得、オーソドックスな「総カロリー制限」(31.3%)、話題の「糖質OFF」(27.6%)、「脂質制限」(14.2%)を抑えて1位になっている。

“新製品投入”で 市場を刺激した大麦

大麦に多く含まれる水溶性食物繊維βグルカンは、欧州で「食後血糖値の上昇を抑える」「心疾患のリスク減少」「排便促進」という健康機能強調表示が認められている注目の成分。 この大麦を白米に混ぜた麦ご飯は食後高血糖を抑制するだけでなく、日本の研究で内臓脂肪減少や満腹感の持続(食べ過ぎを防ぐ)といったダイエット効果も確認されている。

しかし、現在日本で生産され炊飯用に販売されている、ほとんどの大麦は“うるち性”で、特に冷めた時に硬度が増し、ぼそぼそした食感になるとして、ご飯に混ぜるのを好まない層もいた。そこで、はくばくは、水溶性食物繊維量がうるち性の大麦より3割ほど多いうえに、冷めた後も白米とほぼ硬さが変わらない“もち性”の大麦を米国から調達し、2012年3月に新製品の「もち麦ごはん」を市場に投入(写真 93ページ)。積極的にパブリシティ活動を行い、メディアを通して消費者に効能や特性を伝えてきた。

日経ヘルスでは2008年から繰り返し大麦を取り上げているが、もち麦発売後には、2012年10月の「はなまるマーケット」(TBS系)を皮切りに大麦をテーマにしたいくつもの番組が組まれ、2014年6月の「あさイチ」(NHK)では番組が丸ごと大麦特集になるなど相次ぐTV放映で大麦の認知は一気に拡大した。

はくばくのもち麦ごはん。100gに水溶性食物繊維が9g、不溶性食物繊維が3.9g含まれる。720g(60g×12袋)430円(税別)

さらにはくばくは2014年「麦すびマルシェ」という名称で、大麦入りおむすびの試食とミニセミナーを各地のイオンモールなどで展開、消費者に直接訴求するリアルイベントも積み重ねた。また、5月に開かれた日本糖尿病 学会学術集会で大麦摂取と糖尿病予防に関するエビデンスをまとめたリーフレット(写真上)を栄養士、医師等に配布し、食物繊維関係の専門家が結集した11月の日本食物繊維学会学術集会では、世界を代表する大麦研究者・ 食物繊維研究者を招いた公開シンポジ ウム開催に全面協力するなど、アカデミアへの周知も図っている。こうした活動により精麦市場は4-9月比較データで、2013年に対前年 156.6%、2014年は同124.3%という伸びを見せ、米関連カテゴリーで唯一気を吐いている。

なかでも新商品の「もち麦ごはん」は、2013年で対前年 314.0%、14年は同128.5%と急伸し、市場登場3年目にして米関連市場で4 位の販売額の商品に成長した模様(いずれも、はくばく提供データによる)。ちなみに前述のナチュラルローソンも早くから、もち麦入りのおにぎり やスープを販売し好評を博している。

次ページ 「エビデンスを販売につなげる」へ続く

Follow Us