目標額に達しないと1円も振り込まれない、実施者の審査が重要
クラウドファンディングの仕組みでは、一般に募集期間中に集まった金額がすべて振り込まれるAll-in型と、目標額に達しないと振り込まれない(集金されない、あるいは返金される)All or Nothing型があり、ECFでは原則All or Nothing型であるという。ECF型では支援に応じた見返りが決まっており、目標金額に達しないと見返りを提供できないためにそのような仕組みが取られている。kibidangoの松崎良太CEOは、「目標額が集まらないと手数料もゼロなので、プロジェクトを成功に導くためのアドバイスやコンサルティングには力を入れている」と語りさらに同社のポリシーとして「等価交換モデルしか実施しない」ということである。筆者もまさにこの点がECFを“寄付型”“投資型”との大きな違いであり、ECFがマーケティングツールとして健全に育つための大きな必要条件ではないかと考える。
独自のプラットフォームだけではなくASP提供モデルも進行中
ECFは様々なジャンルで行われており、物理的な商品以外にもコンテンツや作品(映画、音楽、イベント、芸術作品など)の制作事例も多く出てきているという。
その分野で多くの実績を持つGREEN FUNDINGでは、「作品の世界観を担保するために自社プラットフォームで展開を希望する事例も多い」(沼田健彦CEO)ということで、自社サイトにてECFを展開できるサービスをASP提供しており、「楽天のようなプラットフォーム展開を目指す」(沼田氏)としている。プロジェクトを実行する企業も自社のブランドを活用して展開できるためにこのような方式も有効になってくる可能性があるだろう。
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