顧客は攻略すべき相手ではない
少し乱暴な話ですが、こうして新しい領土を次々と獲得して、市場シェアを拡大していこうというのがマス・マーケティングにおける新規顧客獲得のイメージです。
確かにかつてはこうした発想が有効でした。それは人々がモノを求めていた時代。経済や消費活動が盛んだった高度成長の時代。大量生産・大量消費が機能していた時代。ざっくり一言でいえば、20世紀後半は新規顧客の獲得が有効なマス・マーケティング全盛時代だったと言えるでしょう。だからこそ企業も、そうした戦略に予算を使い、知恵を絞ってきたのです。
しかし、今や商品はコモディティ化の時代を迎えています。何よりも市場を拡大しようにも少子化を迎え、今後の人口減少がみえています。こうした社会背景、時代背景があり、今買ってくれているお客さま、つまり「既存顧客」を大事にする必然性が生まれてきたというわけです。
では、既存顧客と一緒に共生し、発展していくためには、どうしたらいいのでしょうか? 詳しくは書籍に書いていますが、ひとつ確実に言えることは、消費者や顧客を“攻略すべき標的”と考え、戦争用語を使って戦略を仕掛けるような発想から脱却する必要があるということです。
出版記念セミナー開催決定
「なぜ今の時代に「顧客視点」を重要視するのか」
『顧客視点の企業戦略 -アンバサダープログラム的思考-』は、「新規顧客の獲得」と同時に「既存顧客を重視」する企業姿勢に関する本です。これは今の時代に求められている、マス・マーケティングと対を成す考え方の指南書でありガイドです。
はじめに:「新たなる現実」を受け入れて、次へ向かう指標としての顧客視点/第1章:顧客視点がないと「マーケティング」ではない/第2章:マーケティングを顧客視点で組み替える/第3章:企業の目的は「顧客を創造する顧客」の創造である/第4章:顧客と一緒にマーケティングする/実践レポート:アンバサダーの体験設計(上田 怜史)/第5章:アンバサダーが企業にもたらす変化/第6章:顧客視点経営がビジネスを変える
「アンバサダー視点のススメ」バックナンバー
- ファンのモチベーションは企業や周りの人に読まれている意識(ディーライフ)(2018/8/17)
- 視聴者を横串でつなぐマーケティング手段としてのファン施策(ディーライフ)(2018/8/10)
- ユーザーに委ねることで生まれた、多様なクチコミと説得力がカシオ「PRO TREK Smart」成功の秘訣(2018/5/29)
- カシオ「PRO TREK Smart」が取り組む、ファンやユーザーの信頼で紡ぐブランディング(2018/5/22)
- デルが記事広告の出稿をやめた背景、ファンが執筆する記事は「目線」が違う(2017/12/14)
- デルがファンとの交流プログラムで感じた、マスマーケティングとの違い(2017/12/06)
- ファンの声を直接聞くために社長が全国行脚、ケンタッキーフライドチキンの顧客戦略(2017/11/14)
- ケンタッキー「カーネルクラブコミュニティ」、購買データを使ったマーケティングの限界感から開設(2017/10/31)
新着CM
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始
-
コラム
サムライマックのCMに「ありがとう」と言いたい(遠山大輔)【前編】
-
AD
広告ビジネス・メディア
生成AIを活用したチャットボット「DMMチャットブーストCV」の可能性
-
クリエイティブ (コラム)
アイデアが苦し紛れにくっつく瞬間がある――「KINCHO」ラジオCM制作の裏側
-
AD
特集
効果がわかる!デジタルOOHの活用事例
-
販売促進
ベビー用品の速達デリバリー 日本トイザらス、30分以内におむつやミルクを配達
-
販売促進
「認知獲得」「販促」の両方使えるリテールメディア特性がメーカーの混乱を招く