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コラム

アンバサダー視点のススメ

デルが記事広告の出稿をやめた背景、ファンが執筆する記事は「目線」が違う

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消費者の購入行動は、企業コミュニケーションの結果

横塚:アンバサダープログラムを始めた時に知りたかった「なぜデルの製品を買ってくれるのだろう」という疑問の答えは、アンバサダープログラムを通じてよくわかりました。

企業側の人間として私が学んだことは、「消費者にとって購入の決め手は、製品のスペックだけではないこと」と、「人が何かを選択するのは、あくまで企業と顧客のコミュニケーションの結果だということ」です。つまり、「コミュニケーションを通じて顧客にどれだけ企業の思いが伝わり、理解され、購入という行動に結びついたか」なのです。

藤崎:お客さまは、企業を人のようにとらえます。だから製品のスペックだけでなく、企業の哲学や働いている人の様子を知ることは、消費者にとって企業の人格を知ることにつながると思います。

横塚:パソコンという製品は、各社こだわりがあると言っても、CPUやメモリなど部品はある意味、同じようなものを使っています。もちろん、デザインや素材、部品の組み合わせなどに違いはありますが、大幅な違いを生み出すことは困難です。こうした制約がある中で、プロダクトだけで勝負し、一位を獲得し、勝ち続けることは容易ではありません。だからこそ、顧客にデルの製品や社員のことをより詳しく理解してもらうアンバサダープログラムに、大きな意義があると思うのです。

藤崎:今後の課題があれば教えてください。

横塚:アンバサダープログラムは、その特性上、メディアから大きな注目を集めることはあまりないかもしれません。また、どちらかと言えば、外交的な取り組みというよりも内向的な取り組みに分類されますので、世間の認知もまだ低いのが現状です。

ただ私は、アンバサダープログラムの取り組みを、今後さらに広げていきたいと考えています。そのためには、一人ひとりのアンバサダーの方と私たちがどれだけ深くコミュニケーションできるかが、大きなカギを握っていると思います。私たちがアンバサダープログラムに真剣に取り組み、参加者を動かす原動力であり続けることで、デルの製品や社員、社風といったさまざまな情報が自ずと発信されていくんだろうと思います。さらには、その情報を目にした消費者が、デルに興味を持ち、製品の良さを知っていただけるようになり、一人また一人と新たな「デルの仲間」のような存在が増えていくのではないかと思います。

藤崎:やはり、人が人を呼んでくるメカニズムが、アンバサダープログラムの本質だということですね。

横塚:はい。強制ではなく、自然に発生するものです。私たちがアンバサダーを動かす原動力であり続けられるよう、これからも継続して取り組んでいきたいと考えています。

藤崎:企業側の熱量は、必ずアンバサダーに伝わりますね。同時に、多彩な人たちがいる企業なんだ、今まで知らなかったけれどデルはこういう企業なんだ、という企業の奥深い情報に触れることも、アンバサダーには重要なんでしょうね。

横塚:デルをもっと好きになってもらうには、もっといろいろな面から知っていただけるようにしていく必要があると感じています。

また、ひとつ付け加えるとすれば、アンバサダープログラムは、私たちデル社員にとっても、貴重な場になっていると感じています。さまざまな部署から参加した社員がつながり、協力し合い、真剣にアンバサダーと向き合うことを通じて、デル社内の絆がより一層深まっていると感じています。

次ページ 「顧客視点とは、コミュニケーションによる相互理解」へ続く