コラム

アンバサダー視点のススメ

視聴者を横串でつなぐマーケティング手段としてのファン施策(ディーライフ)

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ファンに「ありがとう」と言われる新鮮さ

藤崎:そうした初期の経験を経て、取り組みはどのように変化していったのでしょうか。

室井:クチコミの促進が難航している中、とても喜ばれた施策がありました。ダントツは、海外ドラマ新作の第一話の試写&座談会です。先取り上映し、その作品をどう宣伝するかをアンバサダーの皆さまと話し合う場を作ることで、アンバサダーの方々から熱いコメントや感謝の言葉を頂きました。

もう1つは、海外ドラマでは欠かせない吹替の声優さんが登場するイベントに、アンバサダーの方を優先でご招待したことです。当日は吹き替え体験もして頂き、とても喜んでもらえました。それらの経験を通して、「ファンとつながるというのは、こういうことかもしれない」と思うようになりました。

※放送開始前のドラマの先行試写&日本語吹替版の声優トークイベントに、アンバサダーをご招待。

藤崎:ファンの仕事に期待するというよりは、まずはファンに喜んでもらえる取り組みに重点をシフトしたわけですね。

室井:そこに気付いてからは、とにかくどうしたらファンの満足度を上げていけるかに重点を置くようになりました。

藤崎:大きな方向転換ですね。ファンマーケティングは熱量が大事です。一般にマスのように薄く広くでは意味がないと言われています。濃く深く、相手に届く施策にシフトしたのは正解だったかも知れませんね。

室井:私たちも今までファンに何かお返ししたいと思っても、どうしたら喜んでもらえるのかわかりませんでした。ですから、イベントでのアンケートで、とても良い評価をもらえ、逆に驚きました。

藤崎:どういうことですか?

室井:イベントでは「ありがとう」と言ってくださる方がとても多いのです。「ディーライフさん、いつもありがとう」「待っていましたよ!このドラマ」などといった言葉です。視聴者の生の気持ちに直接触れる機会は少ないので、とても新鮮でした。ファンの方々から「社員と話して楽しい」とお聞きし、ありがたかったです。

藤崎:どのアンバサダープログラムでも、社員の方とお話できる体験は、ファンにとってうれしい体験のようです。

室井:アンバサダーとのイベントに参加した社員が口を揃えて言うのは、「アンバサダーのみなさんは本当によく見てくださっているし、番組やドラマに関する知識もすごい」、ということです。私たちは、むしろ教えてもらう側にまわっています。

テレビというのは困ったもので、各家庭のお茶の間に上がり込んで行かない限り、番組がどのように視聴されているのか、送り手側は知ることはできません。「こういう方たちが見てくださっているんだ」と分かった時の実感は、社員全員にとっても非常に良い経験です。これはアンバサダーに会った社員全員の感想です。

藤崎:どんなにユーザー調査や市場調査をしても、レポートの文面で知るのと、ファン本人に会うのはまったく違いますものね。

次ページ 「自然と出てきた「アンバサダーに聞いてみたら?」」へ続く

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