BC部門、どこまで拾ってくれるのか問題
井上:BC部門はどこまで拾おうとされているんですか? PVやツイッターの企画とかでもいいのか。出す場所がないけど、価値があり、意味のあるアイデアだととらえていただくとすれば、多くの人からもっと参加があるのかな。
保持:その議論はありました。たとえばNHKの「ねほりんぱほりん」という番組がデザインカテゴリーに出されたんですね。デザインという言葉の範囲が広すぎて、難しい。審査委員の中村勇吾さんは「デザイン」とかも手がけていらっしゃるので、「番組の企画もデザインとして出せるの?」となって。僕らに答えがあったわけじゃないんですよ。ブランドなるものは何なのか。番組はNHKのブランドなのか。NHKというブランドに対して、そのコンテンツやコミュニケーションがポジティブに作用したか。
番組としてはそういう理解のもと、クリエイティブな人間が番組企画に入ったとして審査しようか……のように、ひとつずつ話しました。「CHAI」のミュージックビデオも応募されていて。そこでも、CHAI単体で見るのか、「NEOカワイイ」というコンセプトで見るのかと議論になって。出品時のディスクリプションをきちんと読んで。
一部は、そこで書かれている以上に拡大解釈しながら評価するものもありました。例えば「新しい地図」のプロジェクトも応募ビデオで語られていたことより広くとらえて、どのカテゴリーでどう評価するのかを話しました。
井上:なるほど。
保持:ミュージックビデオをDIYでつくったものも出品されていたし、ちゃんと取り上げて議論したので、「これはどうかしら」と思うものは出してもらったほうが。とくに若い世代の人は、自分が魂を込めたモノがどう評価されるのか、というところで。僕らも議論を尽くしますし悩みながら結論を出すので、「これどうかな」「その他だな」というものは出してもらえたら。
井上:やりながら成長していくということですよね。
保持:そうですね。部門自体もそうなるといいなと思っています。
井上:そういう部門があるのは貴重ですね。日本にはそういうのを受け入れる体制がないから。アートベースか、コピーベースか、CMかになってしまっていて。
事務局:去年審査委員の方がおっしゃったのは、メダルの色はたまたまで、作品についてのいろんな見方があったことを応募者に戻したいということ。審査委員の熱意があって、審査を振り返ってまとめたものをつくったり、入賞作品の説明会を5時間かけて催したり。約350人来場があって、半分以上の方が最後まで聞いていました。
井上:今年からすんごい数の応募になったらどうします?
保持:ありがたいですよ。どうなんでしょう、去年でがっかりされていたら減っちゃうしな。
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