コラム

「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】

「広告のフロンティア拡張は今」 保持壮太郎さん×マクドナルド「ヘーホンホヘホハイ」チーム座談会 -2018 ACC賞ブランデッド・コミュニケーション部門 Bカテ(プロモーション/アクティベーション) ブロンズ受賞作品

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ハマらないけどおもしろい、「アイデアその他部門」

元松敬介さん(ティー・ワイ・オー モンスター/執行役員、Executive Producer)

保持:よくできているから、ACCにBC部門がなくても通ったと思うんです。もともと「その他部門」がやりたくて、ほかの部門だと褒めづらいもの、よさを救ってあげられないものをなるべくセレブレーションしようというものでした。でもヘーホンホヘホハイはほかでも褒められていますもんね。

井上:そうですね。ACCではフィルムとME(マーケティング・エフェクティブネス)部門でも賞をいただきました。BCが唯一ブロンズで(笑)。ああそうなんだなあと思いましたけどね。海外のspikesやadfestでもアワードをいただいたんですが、なんで外国の人が理解できたのかはよくわかっていないんですけど。

保持:伝わったんですね。

井上:おもしろかったんでしょうね。不思議だったのは、普通この手のプロモーションでやっているものは、ずっとプロモーションで獲るじゃないですか。だけどこれはプロモーションでも、デザインでも、ネーミング、コピーライティングでも獲った。いろんな部門で、総合的に妙に引っかかるところがたくさんあったんですね。それがちょっとおもしろいキャンペーンだったなあと。で、こういうのをつくることを目指すのはやめようと。そこが次の課題になるんですけど。

保持:あまり同じ所にドジョウを探しに行っても。

井上:つらそうですもんね。

保持:ヤバい、話聞いたらなんでBC部門はブロンズなのか反省してきた…。

井上:ここでゴールドならなるほどねえと思ったんですけど…なんて話はいらないですね(笑)。BCというのが全然わかっていなかったので、なぜここに出すのかというのが難しいんですけど。でもさっきおっしゃった「その他部門」というか、「おもしろいアイデアなんでもあり」「広告全般に携わるおもしろいもの」を出してくださいねというのが、この部門だと思うんです。

今はカテゴライズされているのが多いけど、“ハマらないけどおもしろい”ものが世の中にはたくさんあるし、そういうアイデアのほうが見るべきものが多いな。一発のアイデアで勝てるという部門が、きっとこのBC部門ですね。すごく広告でしょう(笑)。

保持:ありがたい。

井上:チャレンジのし甲斐が多くの人にあるという意味でつくられている。そこは非常におもしろいので、「アイデアのその他部門」だと書いたほうがいいと思います。ブランデッド・コミュニケーションと書かれると、なんだろうと考えちゃうので。

保持:僕らも悩ましいところで。とはいえ、「その他」ってなんだろうとなると困っちゃう。カテゴリーの名前も、ACCのみならず乱立しすぎていて、いろんな審査に行くたびにクライテリアがわからない。

井上:BC部門は審査する方が大変ですよね。

保持:審査委員一同の関係値がきちんとあるので、ちゃんとディスカッションしながら、拾えていなかったものをちゃんと引っ張り上げて話してみようとやっていました。去年は手探りで、今年も新しい審査委員の方が入ってくださるので、視点としてはより多様化して。エントリーも多様でいいと思っています。ビーコンさんのお仕事っていろんな視点ですよね。みなさん普段からマクドナルドですか?

井上:僕は普段からマクドナルドです。

保持:手を変え品を変え、メディアにとらわれない「その他」的なことをされていますよね。

井上:その他三昧ですね。

井:いろんなカテゴリーがありますね。

井上:最後にテレビCMがくっついているくらいで、最後に困ったら「ちょっと元松さん助けて」という感じで。そういう意味では、BC部門では何かでねらえればいいな。おもしろいアイデアって、若い人でも小さい案件でも、一発でできることがあるじゃないですか。それを考えるのをやめるとおもしろくなくなっちゃうんで。誰かに見てもらえるって大事だし、みなさんがおもしろい部門にしていこうとされているのはわかります。審査が大変そうだなと思いながら。

保持:いや、とても発見があって楽しいですよ。いかに自分たちが狭い世界、閉じた世界に生きてきたか。例えばマクドナルドさんは全国どこにでも店があって、来店者も毎日たくさんいてある意味ですごい巨大なコミュニティ。そこで起きていることは僕らがキャッチアップできていないだけで、めくるめく物量のコミュニケーションがあるはずです。

そのコミュニティに生きている人たちにどうやって日々ニュースをつくっていくかという視点でとても丁寧にブランド体験を設計していることが伺いしれました。マクドナルドさんで言うと、採用に関するプロジェクトだったり、BC部門の審査を通じて知ったことも多かった。

最近のマクドナルドさんが全体的にいい形でおもしろいことをやっているイメージがあるのは、ひとつひとつに血の通ったことをされているから。まさにブランデッド・コミュニケーションの積み重ねなんじゃないかなと思います。ずっと出品を続けていただけると、ある意味BC部門の顔役的になるのではないでしょうか。

井上:やばい、変な汗かいてきた。出さなきゃいけなくなった。なにかきっとね。

保持:海外だとバーガーキングとかもあるけど、国内に関してはマクドナルドさんがいろいろやっていて楽しいイメージがありますよね。毎回一工夫、二工夫あって。それでいて、商品と無関係におもしろがるというアプローチではない。

井:必ず商品の地位をきちんと。

保持:そこがすごくいいなと思います。「真ん中からアイデアを発想しておもしろくできるんだ」と若い人たちが感じることができるのは、アワードが存在するひとつの大きな理由だと思っていて。すごくいいお手本。ああ、話せば話すほど…なぜブロンズなのか、あの日に戻ってやり直したいくらい。
 
井上:いろいろあったんでしょう。

次ページ 「BC部門、どこまで拾ってくれるのか問題」へ続く

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