【前回コラム】「ブランドに足りないものを発見する、「未充足の欲求」という考え方」はこちら
ロウソクが斜陽産業からヒット商品に変貌した理由
インサイトをビジネスに活用するために、具体的に何をどうしていけばよいのか?多くの人のそんな悩みに答えるこの連載。今回は、ロベルト・ベルガンティ教授が唱える「意味のイノベーション」について取り上げます。
成熟化した市場環境において、製品やサービスを大きく変えるスマートフォンのようなイノベーションを起こす商品は、簡単にはつくれません。そこで、すでに存在している製品自体は大きく変えずに、売上を伸ばしたい。そう考える方は多いのではないでしょうか。
インサイトを活用すれば、機能面で大きな進化はなくても、消費者にとっての“意味を変える”ことでヒットを産み出すこともできるのです。
それを実現しているのがロウソクです。
欧州では、ロウソクの消費量が年々伸びています。
なぜでしょうか?
それは、これまで自社ブランド、そしてカテゴリー全体でも訴求していなかった、消費者が求めている新しい価値(シーン&ベネフィット)を見つけ出したからです。
ここで言う“新しい価値”とは、消費者にとっての生活上の“新しい意味”のことです。製品を変えずとも、その新しい価値、つまり消費者にとっての意味を変えれば、ビジネスは大きく伸ばすことができるのです。
次のページで詳しく見ていきましょう。
「人を動かす隠れた心理「インサイト」 ~全ての仕事に生きる、深層心理の洞察方法~」バックナンバー
- コロナ禍の消費者を理解する — “加速する欲求”と“減衰する欲求”(2020/9/01)
- 巣ごもり消費は単なる“現象”にすぎない コロナ禍における消費者の新・欲求(2020/5/29)
- “スベらない”パーパス・ブランディング — 「省エネルック」と「クールビズ」の成否を分けたものとは?(2020/2/27)
- ブランドに足りないものを発見する、「未充足の欲求」という考え方(2019/12/26)
- インサイトはSDGsにも応用可能? 社会問題解決にも有効な「本質的な不満」の見つけ方(2019/7/26)
- ママ友のバーキンを羨ましがる妻が「本当に欲しかったもの」を知る方法(2019/6/28)
- 「インサイトが教える、ヒットと失敗の5つの法則」〜その5「フィジカルアベイラビリティ」編(2019/6/10)
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