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コラム

48歳のピボット・ターン 〜広告会社のCDが、テックベンチャーに入ったら〜

広報と映像を同時に手がけた3週間。震災体験に耳を傾ける社内イベントの話

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その時が来たら、私たちは何をするべきか

3月10日と3月11日の2日間にわたって行われたイベントでは、社外スピーカーの方々の本当に貴重なお話を伺うことができた。それは、必死でニュースを届けた方々と、必死で人々を守った方々。

1日目は、報道の担い手の方々のお話だった。「被災者かつ情報の届け手に聴く」と題して、杉尾宗紀さん(NHK仙台放送局アナウンサー)、高成田享さん(元朝日新聞石巻支局長 元アメリカ総局長)、武内宏之さん(元石巻日日新聞報道部長)をお招きして、震災当時の過酷な報道環境と、当時の自分の想い、10年たった今の報道のあり方、ニュースを手掛けるスマートニュースの社員に伝えたいことを伺った。

石巻日日新聞の、震災当時の壁新聞。ワシントンの報道博物館「ニュージアム」に永久保存されている

2日目は、「災害に立ち向かう個人」と題して、牧野純さん(都内保育園 園長)、寺田学さん(衆議院議員)、世古圭さん(Coral Capital シニア・アソシエイト)をお招きした。牧野さんには当日の体験はもちろん、女性の社会進出が進んでいる中で、保育園は社会維持機能であると強く意識したことを話していただいた。寺田さんには、震災当時の首相補佐官を務められた体験、極限状態での判断と、国民に向けたコミュニケーションの重大さを伺った。そして世古さんのお話で、依然として日本社会の根本に横たわる代替エネルギー問題について、そして原子力発電の究極の代替として考えられている核融合発電とその可能性について知見を深めた。皆さんから、震災後の社会における、ご自身の仕事の意義や使命感などが強く伝わってきた。

世古圭さんの講義。

個人として、守りたい人がいる。一人ひとりの個人としての使命がある。そして、スマートニュースが会社として果たす使命があり、社員として果たす使命がある。私たちのミッションは「世界中の良質な情報を必要とする人々に送り届ける」。その時が来るまでに、私たちがなすべきことはまだまだ多い。イベントは、最後にCEOである鈴木健さんがあの日の自分について語ったあと、地震が起きた時刻である14時46分を迎え、参加者全員で黙祷した。

2月後半から3月上旬にかけては、入社三カ月目の広報責任者として社内情報のネットワーク整備とPR戦略づくりに取り組む中、前回コラムに書いた29時間でのプロダクトローンチPRを行い、そしてこのイベントの映像制作をする、忙しいが充実した日々を過ごした。最初は、対外広報と社内イベントの映像プランナーという、違う仕事を並行して進めるんだなと思っていたが、終えた今、このイベントがインナーコミュニケーションを様々な形で促進し、やがては社外に広報できるプロダクトとして結晶化すると信じている。