デザイン思考の事業創造 〜関係性をデザインする、これからのブランド戦略〜
室井淳司(Archicept city 代表/クリエイティブ・ディレクター/一級建築士)
新規事業・サービス開発、ブランド戦略、空間開発などにおいて、企業のトップや事業責任者とクリエイティブ・ディレクターとして並走する。表参道布団店共同創業経営者。広告・マーケティング界に「体験デザイン」を提唱。著書『体験デザインブランディング〜コトの時代の、モノの価値の作り方〜』を宣伝会議より上梓。2013年Archicept city設立。博報堂史上初めて広告制作職域外からクリエイティブ・ディレクターに当時現職最年少で就任。東京理科大学建築学科卒。これまでの主なクライアントは、トヨタ自動車、アウディ、日産自動車、キリンビール、トリドール、ソニーなど。主な受賞はレッドドット・デザイン賞ベスト・オブ・ザ・ベスト、アドフェストグランプリ、グッドデザイン賞、カンヌライオンズ他国内外多数。
このコラムについて
シェアリング・エコノミー、AI、オムニチャネル‥・デジタルによって訪れている変化が、イノベーティブなサービスを次々と生み出し、既存企業の事業の在り方そのものに影響を与えています。収益を上げる機会が「売ること」から「利用し続けてもらうこと」にシフトしつつある中で、価値ある事業を生み出していくには、産業構造の変化を俯瞰的に理解し、「顧客との関係性をリデザインしていく」ことが欠かせません。このコラムでは、メーカー、流通が直面する「変化」を紐解きながら、時代に即した顧客とのかかわり方を見つけ、事業をデザインするための視点を整理します。
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ブランドは「人として振る舞う」時代へ
これからのブランドは、人として振る舞うことが求められます。これまでのブランドは、自分らしさを自ら規定し、それを、メディアを通して顧客に訴え続けることで「ブランドイメージ」を顧客の記憶の中につくってきま...
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サービスは、マスからカスタムへ
前回のコラムでは、企業と顧客との関係性について話しました。「商品を売って終わり」から「売ってから始まる」関係へ、「利用してもらう」関係へと変化していくと、顧客との関係性を良好に保つためには、顧客との会...
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企業の戦略は「顧客との関係性のデザイン」へ
企業が顧客にモノやサービスを売る為のアプローチは、売って「終わり」から、売った後も継続する関係の「始まり」へと変わってきています。これまでも購入してくれた顧客の再購入を目的に、顧客に対して継続的にアプ...
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チャネルのデザイン=ブランドのデザイン~ケーススタディ:盒馬鮮生
ファーマーションシェンは、アリババが出資するオムニチャネル型生鮮食品ブランドで、2016年1月にリアル店舗1号店を上海にオープンしています。2018年4月現在の店舗数は約40店ですが、同社は2018年...
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クリエイティブな購買体験デザイン~ケーススタディ DIFFERENCE、Warb...
今回は、クリエイティブな視点で購買体験をデザインしているブランドの代表的な事例をみていきたいと思います。
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実店舗とEC企業のショールームは、何が違うのか~オムニチャネル時代の購買体験
コラム4〜6回でみてきたように、企業は今、テクノロジーの進化により起きている巨大な変革に対応していく行動を起こさなければなりません。
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スマートスピーカーにみる、AIと消費行動 〜AIによる産業構造の変化〜
AIは今、先進テクノロジーの分野で最もホットな話題ですが、その話題は、人工知能が発達し人間の知性を超えたときの、AIと人間を比較する内容が中心です。
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ビッグデータを経営資源にした新たな経済圏 〜ビッグデータによる産業構造の変化〜
IoT、ビッグデータ、AIがシームレスに機能する「オートメーション時代」のサービスでは、データの質と量が要になります。それらデータは、収集される事でビッグデータを形成していきます。
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自動車のワイパーが動いたデータから、雨降りを知る 〜IoTによる産業構造の変化〜
コラム1〜3回目では、トヨタ自動車のe-Paletteを例にして、今起きている産業構造の変化の究極のカタチを見てきました。
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アマゾン、Uberとの協業で実現するトヨタの新構想 事業構造はカタチを変える-③
トヨタ自動車が目指す「e-Palette」による新しい社会の実現を、どの様なスキームで実現しようとしているのかについて触れていきたいと思います。