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コラム

若手起業家、世界一周へ

メキシコの地下鉄に潜む商売人たち

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メキシコシティの地下鉄

年末年始をメキシコで過ごしました。
メキシコの首都メキシコシティは地下鉄が大変発達しています。1回乗車するのが3メキシコペソ(日本円で21円)で、地下鉄を何度乗り換えても遠くても値段は変わりません。まさしく庶民の乗り物となっているのです。

バスなどの公共交通機関では、これまでも車両内に突然突入してきて物を売りさばく商売人たちに飽きるほど遭遇してきましたが、メキシコでは地下鉄でも彼らは元気良く活動しているようです。(そもそも地下鉄が走っている国はそんなに多くはありませんでしたが……。これまでの旅ではアメリカとメキシコでしか見かけませんでした)

車内でDVDを売り歩く

メキシコシティで初めて地下鉄に乗った時、とても大きな音量でアニメ声が聞こえてきました。なんだろうと振り返ると、そこには商売人が。彼は10インチぐらいの小型液晶付きDVDプレーヤーを片手に掲げ、もう片手には商品であるDVDを掲げ、背中に大きく背負っているリュックサックの中には巨大スピーカーが入っている。

そのほかにも、クリスマスにあわせてクリスマスソング特集CDをスピーカー音量MAXで流し歩く人たちが多い。さらに驚くべきことに、それを皆、よく購入しているようです。もちろん、そういった音が出るものだけじゃなくても、名刺入れ、ガム、ホチキス、チョコレートなど、もはやなんでも売られています。メキシコシティの地下鉄では、商品価格は皆だいたい5メキシコペソ(日本円で35円)でした。日本でいう100円と同じで、気軽に購入できる価格帯の感覚なのでしょう。

地下鉄車内のコカ・コーラの広告

メキシコ在住の友人に教えてもらったのですが、1車両に1人までしか商売人はいてはいけないという暗黙のルールもあるようです。確かに地下鉄の駅に停車するたびに商売人たちは次の車両へと進んで入れ替わります。また、実際に他の場所で購入するよりも彼らから購入するほうが安いものも多いようです。

日本のバスや地下鉄などの公共交通機関ではあり得ない光景ですが、他の国に行けばそれが当たり前になります。これから海外進出をしていく日本企業は、そういった現地独特の流通を把握して、上手く販売活動に活かしていくことが大切なのではないかと思います。

太田英基「若手起業家、世界一周へ」バックナンバー