関西でコピーライターとして活動してきて10年以上が経ち、田中も今年で35歳。10年前、会社員コピーライターとして生涯をまっとうしようとしていた自分が、まさかフリーランスとして仕事をするとは思ってもいませんでした。
現在、地方でフリーランスとしてクリエイティブワークを成立させやすくなったのは事実で、田中もその恩恵に預かっています。つまり、コピーライターとしての役割が拡張し、関西でも十分に面白い仕事ができるぞ、と。
かつて新人の頃、「あぁ、いつかは東京へ行ってトップクリエイターの仲間入りするんだい!」なんて、のたまっていたのがなんだか懐かしいです。
とはいえ、この先関西で仕事をし続けることにも不安があります。これからも地方でフリーランスとして生きていくために。35歳になる2018年、改めて自分の「働き方」や「仕事の仕掛け方」をもう一度見直したくなりました。
そのヒントを、関西で活動している方々から根掘り葉掘り聞いて活用しよう!というのが連載をはじめたきっかけです。
Nue inc 松倉早星さんの場合
今回、「関西で戦う!」に登場していただくのは京都で活躍するプランナーの松倉さんです。
松倉早星(Nue inc.)
京都の大学卒業後は東京の制作プロダクションへ。京都に戻ってきて「1-10design」に在籍後、「oveqe.inc」という会社を作って独立。2017年に「Nue inc」.というリサーチとプランニングに特化した新たな会社を立ち上げて今に至ります。
今回お話を伺った松倉さんは、田中と同い年にして独立した時期もほぼ一緒。しかし、大きな違いがあるのは、彼は東京でものすごく活躍していたということです。なのに、なぜ京都へ戻ってきたのか?
現在、彼が京都をはじめ、さまざまな地方のキーマンからラブコールを受けているのはなぜか?そして、彼は仕事をする上で何を大切にしているのか?についてお聞きしました。
まずは、現在の松倉さんを物語る仕事の数々から紹介します。
まちと、とことん付き合うという姿勢
松倉さんの仕事観として、「とことん付き合っていく」というのがあります。「oveqe.inc」の頃からもそうだったのですが、「Nue inc」になってからさらに京都や他のまち、企業との密着度が増しているのが特徴的です。彼のそういった姿勢がクライアントや関係者の方々の信頼を勝ち得て、仕事が終わっても次の仕事のラブコールを受ける理由なのだな、と思いました。
例えば、その1つが2017年に立ち上った「崇仁新町(すうじんしんまち)」。
「崇仁新町」とは、京都駅から歩いてすぐにある「崇仁地区」と呼ばれるディープなエリアがあり、そこの空き地スペースに若い人はもちろん、昔からその地域に住んでいる方々にも来てもらえるコミュニティスペースを作り、新しいまちの再生プロジェクトとしてスタートしました。
今回、松倉さんは「そもそもどんなまちなのか?」というリサーチと、プロジェクトに関わる方や昔からまちに住む方との対話を繰り返し行い、プロジェクトの軸を見極めプランニングに落とし込むということをされました。
このプロジェクトは特にまちや人との密着度が高く、クリエイティブワークはもちろん、関係性づくりに力を入れたと言います。むしろ、住民の方々の理解を得ないと立ち上がらなかったプロジェクト。そこで、松倉さんに「崇仁新町」で取り組んだことや大切にしたことを通して、彼の仕事の醍醐味をお聞きしました。
「関西で戦う。クリエイターの流儀」バックナンバー
- 関西で戦う写真家のB面は敏腕プロデューサー!?熱量あるメディアができるまで。(2018/9/05)
- これからは、住まいが経済圏に。京都の外れで次のルールを作る。(2018/8/20)
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