脳のなかの金魚
古川 裕也(電通 CDC局長 / エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター)
古川裕也(ふるかわ・ゆうや)電通 コミュニケーション・デザイン・センター局長、エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター。クリエイター・オブ・ザ・イヤー、カンヌライオンズ28回、D&AD、One Show、アドフェスト・グランプリ、広告電通賞(テレビ、ベストキャンペーン賞)、ACCグランプリ、ギャラクシー賞グランプリ、メディア芸術祭など受賞多数。カンヌライオンズ、D&AD、クリオなど、国内外の審査員・講演多数。2013年カンヌライオンズ チタニウム・アンド・インテグレーテッド部門の審査員を務めた。
主な仕事:九州新幹線全線開業「祝!九州」。中央酪農会議「牛乳に相談だ」。JCB「買い物は世界を救う」。リクルート「すべての人生がすばらしい」など。
このコラムについて
世界一知的でグラマラスな、クリエーティブの教養コラム。著者は日本、海外合わせ200以上の広告賞受賞歴を持つ、電通 コミュニケーション・デザイン・センター長 エクゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターの古川裕也さんです。これまで出会ったさまざまな名作映画、音楽、小説を手がかりに、広告クリエーティブの仕組みや考え方をつづっていきます。
-
才能ほど壊れやすいものはない。それはほとんどの場合修復されない。
今年夏。ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの伝記映画が日本でも公開された。
-
日本に八百万(やおよろず)の神がいることの幸福について
2015年2月。 『バードマン』イヤーだった米アカデミー賞で、印象的なスピーチがふたつあった。
-
失敗が果実をもたらす可能性について
「麻薬中毒患者の幻覚のようなこの絵を見て、みんなり笑わずにはいられなかった。絵の印象を端的に言えば、この画家は妄想に打ち震えながら絵を描く狂気の画家だ。」
-
じぶんのなかに狂気をちゃんと飼っておく
「狂気」は僕たちの強い味方である。 それは、代替不可能な極めて個人的な何ものかによって構成されている。 しかもそれは結果的に、自分が何者なのかを、明示してくれる。
-
何かを得た時、何かが失われるという原理について
ニコラス・ハンフリーという心理学者が、『喪失と獲得 進化心理学から見た心と体』という本を書いている。
-
新しさはどこから生まれるのか
誰も見たことのないもの、やったことのないアイデアを実現させたい。どんな仕事であっても、多かれ少なかれ、そんなふうに考えるものです。でも、そもそも「新しい」って? 「オリジナリティ」って何でしょうか。今...
-
「みんな」とは誰か
「みんなを幸せに」「みんなの笑顔のために」…コーポレートスローガンでも、広告コミュニケーションでも、メディアや日々のソーシャルでの投稿でもよく目にします。聞き心地はやさしく、いつも正しくて誰でも肯定し...
-
嘘の力
「ねぇ、お母さん、ファクトを述べよ」なんて、子どもが言い出したら心配なもの。やっぱり「お話を聞かせて」ですよね。中身はフィクションでも、何か真実に近づける気がするから、私たちはストーリーが好きなのかも...
-
人生は祭りだ。たぶん。
世界がまだネットで結ばれていなかったころ、コミュニケーションは身体性を持っていました。そしてそれは、いまもなお、私たちが求め続けているものです。
-
Somebody up there likes you
勉強による習得物は、おおむね、“能力×意欲×投資時間×方法=結果“という方程式なので、この観点から言っても、日本人の英語力、世界びりっけつという現状は、かなり異常だ。いったいなぜ?