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コラム

アンバサダー視点のススメ

対面販売で培った関係づくりを、ネット通販に生かしたい(KOSE 米肌)

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クチコミ施策は将来に活きてくる資産

藤崎:現時点での成果を教えてください。

佐々木:アンバサダーの方々の総登録者数は毎月順調に増加しています。比較的影響力の高い方が多いのが特徴です。細かい数字は出せませんが、クチコミのKPIに関しては、半年の目標を結局3カ月くらいで達成できました。

藤崎 実 氏

藤崎:それは良かったです。

佐々木:売上実績は、昨年度と比較して好調に推移していますので、アンバサダーの効果もあると考えられます。ただ正直なところ、実際の売り上げとの相関関係はまだ取れていない状況です。

藤崎:売り上げとの相関関係はなかなか難しいですね。アンバサダープログラムの特徴は長期的に効果を発揮する点だとは言えますが。

佐々木:中身の濃いクチコミはたくさん発生しています。検索によって、今だけではなく、将来にわたってアンバサダーの方の感想やクチコミに触れることができるというのは「米肌」にとっては良いことだと思っています。そうした全体的な資産を作っていると解釈しています。

藤崎:今後の課題や可能性を教えてください。

佐々木:今はアンバサダーボイスのような形で、主にブログからの記事内容を自社のサイトやメルマガ、クリエイティブに活かし始めているところです。

藤崎:アンバサダーの声を上手に利用するのは、今後の活用の一つですよね。例えば、獲得系アドのクリエイティブにアンバサダーの声を入れてどれだけ効果が伸びるのかなど、証明しやすいところからチャレンジしていくのが良いと思います。

佐々木:直近では「アンバサダーの紹介で、どれだけ購入に繋がったかというアンケート」を行うつもりです。数値的な効果を把握してみたいと思っています。

また、今後は「アンバサダーの中のアンバサダー」という関係づくりをしていけたらと個人的に思っています。それは、ごく限られた小さな枠になると思いますが、より深い関係づくりをしていけたらと思っています。

藤崎:いいですね。米肌の「アンバサダーの中のアンバサダー」、ゴールドアンバサダーといった人ですね。

佐々木:そうです。キャンペーンとは関係なく、米肌が好きなアンバサダーが自ら情報を発信してくれたり、何もない時に情報を発信してくれたり、そういう濃い関係ができたらいいなと思っています。

藤崎:女性は、常に自分に合う化粧品を探しています。そこで、「私が待っていた化粧品はこれだ」と実感しているゴールドアンバサダーの組織化は現実的な試みではないでしょうか。お客様とよい関係をつくっていきたい、という佐々木さんの話に共感しました。今日は、ありがとうございました。


今回のポイント

  • 顔が見えない通販だから、顔を合わせることが大切
  • コーセーの歴史はお客様との対面販売の積み重ね
  • メーカーとお客様の関係づくりを、今度はネットで
  • クチコミ施策は将来に活きてくる資産
  • 今後はアンバサダーとの濃い関係づくりをしていきたい

今回のまとめ

佐々木さんがアンバサダープログラムを推進させているベースには、営業経験がありました。KOSEの原点である「対面販売」には、良い点がたくさんあります。そもそも1対1の関係なので、これほど丁寧な顧客志向はないと言えます。もともと企業とお客様の関係は、顔の見える関係が基本です。だからネットであっても、顔が見える関係を大切にしたいと語る佐々木さんにメーカーとしての誠実さを感じました。

佐々木さんは、「人の温度感を忘れてはいけない」「メーカーとお客様との関係づくりを大切にしていきたい」と繰り返し語っていました。米肌にファンが多いのも、佐々木さんの想いや熱意が、施策全体に浸透しているからではないかと思いました。事業をパワフルに前進させていくために大切なことは、他社には真似できない自社の強みである自分たちの「原点」を大切にすることかも知れません。