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まだまだ伸びている、「ストック型」ソーシャルメディアの王道:ブログ

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ブログとSNSの役割は異なる

ツイッター、フェイスブック、Google+など新しいソーシャルメディアが続々と登場し脚光を浴びている中で、未だに大きな影響力をもつメディアがブログである。コムスコア・ジャパンのインターネット視聴率データベース「メディア・メトリックス」(家庭/職場のPC、15歳以上対象)によると、2011年6月のブログ閲覧時間は日本が一人当たり62.6分と韓国の49.6分を大きく引き離してトップに立っている。

ブログの浸透率(リーチ)も高い。国内インターネットユーザーのうち、6月は80.5%がブログを訪問した。これは世界で5位ということだ。しかし、日本はPC以外も携帯でのブログのアクセスが盛んであり、芸能人をはじめとして人気のあるmixiやモバゲー、GREEの日記なども含まれていないので、それらを含めた実態ははるかに大きいと筆者は推定している(調査結果の詳細)。 

さらに筆者としては、新しいSNSが登場してもブログなどと必ずしも競合するわけではないと思っている。それはブログと最近出てきているソーシャルメディアとは大きな違いがあるからである。

ツイッターやフェイスブックなど最近登場してきたSNSは「いま」を記載し、時間の経過とともに無くなってゆく「フロー型」であるのに対して、ブログや日記は「まとめ」の機能を持ち、時間がたっても検索性の高い「ストック型」であることがその違いのひとつ。

例えばツイッターやフェイスブックであれば、食事のことを書く場合には字数の制限など物理的な要因もあり「現在食べているもの」あるいは「先ほど食べていたもの」について書くのが一般的であろう。しかし、これがブログになると、「今日食べたもので一番おいしかったもの」や「過去に食べたものとの比較」や「その食事に関する深い知識」など、記載内容の幅が広がりやすい。

また「フロー型」のSNSは一般的なインターネット検索にひっかかることは無いが、「ストック型」のブログなどは検索で上位表示されることも多く、あるテーマに関する優秀なブログは長い間多くの人間に読まれることになる。一方でツイート(つぶやき)やフェイスブックのニュースフィードなどは時間がたつと掲載されなくなる。

ブログへの投資を減らすのは得策ではない

そしてお互いに補完する役目も果たしている場合が認められるのではないだろうか?筆者が見ている限りにおいては大きな事件が起こるとまず、その報道を参照する「フロー型」のSNSで大きなバズが起こる。それは、色々な人によりより拡散されながらいったん収束をみる。

しかし、その後は専門家や事情通により解説が加えられた記事や、感想を述べる著名人や有力者の「ストック型」のブログや日記が登場すると再びそれらを参照する「フロー型」のSNSが情報を拡散してゆくというパターンが見られるのではないだろうか?

先に参照したコムスコア・ジャパンのレポートでも、この一年間で著しいSNSの伸長があったのにも関わらず、ブログ全体で月間のユニークビジターが前年比7%(55百万人→59百万人)増えているのである。

最近の各社の動きを見ていると、新しいSNSに対応するための予算を、昨年まで行っていたブログ対策(ブロガーイベントやブログパーツ制作など)からまわしているケースが多いような気がしている。

しかし、果たして前年比7%伸びている「ストック型」メディアの投資を減らすことが果たして正しいのであろうか。逆にフロー型のメディアをサポートするためには新規のリソースを、現象が認められるメディアより手当てすることが必要であろうと考えるのである。より大きな動きを捉えて全体を規定しなおす必要がなかろうか。

江端浩人「i(アイ)トレンド」バックナンバー
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