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コラム

世界で活躍する日本人マーケターの仕事

世界で活躍する日本人マーケターの仕事(欧州日清食品 田上伴光さん)後篇

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マーケティングは自分の想いを商品や広告にこめて社会に伝えられる類稀な仕事

—海外でマーケティングの仕事に挑戦したいという人にメッセージをお願いします。

海外でマーケティングの仕事に挑戦するにあたり、まず「現地人を採用するのではなく、なぜ駐在員マーケターが必要なのか」を考える必要があります。ひとつは、日本とのスムーズな合意形成への橋渡しです。これは日本本社にとっても良いし、現地の人にとっても助かるものです。もうひとつは、駐在員マーケターならではの知見で、現地人マーケター以上に、現地のビジネスに貢献して成果を創出することです。

これらを実現するために、日本にいる時に何を準備すべきか、3つ提案したいと思います。

まずひとつ目は、会社やブランドのことを良く知っておくということです。会社の理念や業務プロセスを学び、この部署にこういう人がいる、ここに話をすればこういう解決ができるということを知っておくことです。そして、ブランドの歴史とブランドに関連する暗黙知を肌感覚でできる限り吸収しておくことも大切だと思います。

次に自分のフィールドを持つことです。マーケティングで海外に出るならマーケティングの、セールスで出るならセールスの、ファイナンスならファイナンスのフィールドで現地人を雇うよりもパフォーマンスを出せるように研鑽することが必要です。海外では、あるポジション、ある椅子についているジョブディスクリプションが明確に決まっており、自分の役割を周囲から厳しい目で見られます。マーケティングポジションで海外にでるなら、当たり前ですが国を超えても通じるマーケティングのスキルを磨いておく必要があると思います。

そして3つ目はコミュニケーションです。語学力以上に「ロジカルシンキング」をしっかり身につけておくことが大切だと思います。ロジックは世界共通言語です。自分もよくやってしまうのですが、日本人は暗黙知で仕事することに慣れているので、どうしても話がジャンプしてしまいがちです。筋道を立てて、「これがこうだからこう言うふうになる」ということをしっかり伝えられるようにしておくことは、海外で非常に役立つと思います。クリティカルシンキング、ピラミッドストラクチャーといったものを事前に習得しておくのが良いと思います。

次ページ 「海外でマーケティングをするのは、日本をマーケティングするということ」へ続く