好奇心とクリエイティビティを引き出す「伝説の授業」採集
倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)
2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。
このコラムについて
2020年のグッドデザイン賞を受賞した、広告業界発のクリエーティブ教育プロジェクト「変な宿題」。2012年頃から倉成英俊氏の個人プロジェクトとして始まり、2015年には「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」からサービスとしてリリースされた。その裏にあったリサーチが、この「伝説の授業採集」である。教育業界〜実業界、日本〜海外、現代〜過去、学校〜家庭〜企業、有名〜無名と、カテゴリーや時空を超えた古今東西の伝説の授業を収集。面白くて、為になる。一生忘れない。出題された方は、好奇心をくすぐられ、自分の才能を刺激され、果てには人生を変えられたりしてしまう。先人たちが考案した、正解のない、万人の頭をインスパイアする問いを、この先の見えない時代を生きる現代の人々へシェアする。
イラスト:萩原ゆか
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11時間目:「今日安藤忠雄さんいらっしゃるから、柏餅作って」田中一光デザイン室で...
今回の主人公は、デザイナーの田中千絵さん。一見、無茶振りだと思っていた。だけどその裏には、すごい信頼と愛があった。という話を届けたい。
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10時間目:公式は覚えるな!と言う数学のB先生 & たった一言で工学の本質を問う...
この連載も10回目。今回がちょうど半分の折り返し地点である。今までほとんど人様のことばかりを書いてきたから、この節目の回は、自分が受けた伝説の授業のことを紹介しようと思う。
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9時間目:チーム分けは学年別。上級生vs下級生で戦うルールの「下克上体育祭」。
面白い話は大体、お茶飲んでる時から始まってる。今回もその類。さらに言えば、自分も通えたかもしれない面白い学校の話を聞くといつも「自分が子どもの頃に教えて欲しかった!」となる。今回はその類、でもある。
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8時間目:薩摩の「究極の選択問題」 vs 肥前の殿様参加型「無礼講ディスカッショ...
今回の「伝説の授業採集」は、みなさんを過去にお連れする。タイムスリップ型の遠足、である。出発するにあたりまずは、遠足と言えば…の、しおりを配りたい。しかし、そこに書いてあるのは、旅程でも注意事項でもな...
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7時間目:「バスケで俺と勝負しろ。」ある日突然、現代美術家・椿昇氏が息子に挑んだ...
たまたま投げかけてみた質問。その問いが起点となり、面白い流れを連れてきてくれることが多々ある。今回の記事も僕が聞いてみていなければ、僕はもちろんのこと、みなさんも知ることもなかった話である。その起点と...
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6時間目:「バラを分解せよ」青山フラワーマーケットの社員研修
僕がたまにブーケを買うそのお店というのは、青山フラワーマーケット。今回の伝説の授業は、そのセンスフルなフラワーショップを運営する会社、パークコーポレーションの社員研修である。
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5時間目:「草で、自分の体重を支えるロープを作れ」 ~ カナダのテクノロジーの授...
ナージャは、誰よりもシャイ、というのが特徴。だから12年一緒に働いていても、いまだに「なんでそんな面白い話、もっと早くしてくれなかったの!?」ということがある。そんなずっと知らなかった話の中に「彼女が...
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4時間目:「三種の神器について、所感を述べよ」 中学時代の黒澤明監督の答案と、先...
今回は、そんな「伝説の授業採集 伝記篇」から1つご紹介。それは「蝦蟇の油〜自伝のようなもの〜」という本の中で採集した、映画界のレジェンド、黒澤明監督が受けた伝説の授業だ。
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3時間目:テーブルを拭く。という入社試験。
2018年6月、「世界最難関大学」の学生たちが僕らのところにやってきた。「彼らに対して、東京到着後の最初の授業をしてもらえないだろうか」というのが僕らの「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」...
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2時間目:同じ隅田川花火について、4つの新聞社が書いた記事の、違いを比べる授業。
今年はコロナの影響で、予定通りに開催されなかったものがたくさんあったが、その中で(さすがにオリンピックを除いて)報道の量が一番多かったものは、「花火」じゃなかっただろうか。