CSR視点で広報を考える
白井 邦芳(危機管理コンサルタント/社会情報大学院大学 教授)
ゼウス・コンサルティング代表取締役社長(現職)。1981年、早稲田大学教育学部を卒業後、AIU保険会社に入社。数度の米国研修・滞在を経て、企業不祥事、役員訴訟、異物混入、情報漏えい、テロ等の危機管理コンサルティング、災害対策、事業継続支援に多数関わる。2003年AIGリスクコンサルティング首席コンサルタント、2008年AIGコーポレートソリューションズ常務執行役員。AIGグループのBCPオフィサー及びRapid Response Team(緊急事態対応チーム)の危機管理担当役員を経て現在に至る。これまでに手がけた事例は2700件以上にのぼる。文部科学省 独立行政法人科学技術振興機構 「安全安心」研究開発領域追跡評価委員(社会心理学及びリスクマネジメント分野主査:2011年)。事業構想大学院大学客員教授(2017年-2018年)。日本広報学会会員、一般社団法人GBL研究所会員、日本法科学技術学会会員、経営戦略研究所講師。
このコラムについて
IT社会の到来で、コミュニケーションのあり方は大きく変わりつつあります。これまでは、記載項目(What?)に注目されていたCSR(企業の社会的責任)の視点も、ようやくどのように(How?) 表現するかに焦点があてられるようになりました。時代の変化に伴い大きな進化が期待されるCSR活動を通じて「広報」の進むべき道を具体的事例を検証しながらひも解いていきます。
-
マルハニチロホールディングス自主回収事件におけるメディア及び市場の反応
マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場で製造された冷凍食品に農薬が混入した問題が昨年末から世間を賑わせており、21日時点で回収率は85.6%まで進んでいる。一方で、警察が必死の捜査...
-
マルハニチロHD子会社冷凍食品農薬混入事件の正しい読み方(1)
水産大手マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題は、年末年始を挟んで事態が急展開している。
-
「倍返し」旋風が巻き起こした思わぬ影響
今年は、違う意味での「倍返し」が一人歩きした。苦情者は、とにもかくにも「倍返し」、「倍返し」が基本でしょ!、ひとまず「倍返し」と言ってみました、と「倍返し」旋風は、苦情者の世界でも大ブームとなる。
-
食品偽装の深い闇を探る!
筆者は、本業として危機管理のコンサルタントを生業としていることから、食品偽装問題についても例外なく企業の危機管理対応のプロとして緊急要請されることが多い。この種の事件で、最も驚くべきことは、食材受け入...
-
テレビ報道に完全に先を越された百貨店業界の食品偽装
著名ホテルが次々と食品偽装に関する謝罪会見を行う中、飲食チェーンなどと並行して百貨店業界へも偽装問題が飛び火したことはご承知のとおりである。しかし、一方で、百貨店業界の動きはホテルでの動きと全く異なっ...
-
止まらない「食品偽装」。著名ホテルを襲った激震の風評の損失状況を分析する(2)
内部統制の視点から見れば、今回のようなコンプライアンス上の問題は、同業種の他の企業にとっても他人事では済まされない。新たな発覚を恐れて、怖くて自ら検証することは控えたいと考える経営者がいれば、その考え...
-
止まらない「食品偽装」。著名ホテルを襲った激震の風評の損失状況を分析する(1)
今回も株式会社VLeの協力を得て、著名ホテルにおける風評リスクの検証を行った。まず、一連のホテル関連の食品偽装問題の発覚から11月11日までの間にどのような風評となっていたかを総量で比較してみた。
-
目を研ぎすませ!まだまだあるはず消費材の「食品偽装」
今回の食品偽装に関する消費者の信頼を失った背景には、阪急阪神ホテルズの出崎弘社長の記者会見でのコメントが起因する。
-
台風にも見られる異常気象とその被害影響
台風26号が本土に接近したとき、多くの企業が予め、出社を控えさせたり、無理な行動をしないよう喚起した。現在、発生している27号及び28号についても、既に社内に注意喚起を行っている企業が出始めている。
-
再び危険視される地震による津波被害
最近、地震に関するセミナーが、各所で開催され始めている。企業における地震リスクの再検証と東日本大震災で機能しなかった事業継続計画の抜本的見直しを、業界の視点から真剣に取り組んでいるからだ。予測されてい...